初恋婚〜幼馴染のエリート同期と離れられなくなりました~
4人席へ座ってから一樹が申し訳なさそうな顔を浮かべる。
「全然大丈夫です」

むしろこのくらいの喧騒があったほうが気楽でいい。
なにか失敗したとしても、笑ってごまかせる雰囲気もある。

ふたりはドリンクバーとパスタをピザを注文した。

出てくるまでに色々と会話しようと思ったのだけれど、さすがはファミリーレストラン。
それほど待つことなく料理が運ばれてきた。

目の前で湯気を立てる美味しそうなクリームパスタに急速に空腹感が湧いてきた。

仕事が終わった直後は確かにお腹が減っていたけれど、一樹が待っていたことで驚いてしまって、空腹感がどこかへ飛んでいってしまっていたのだ。

「うわぁ、おいしそう」
フォークとスプーンを使ってクルクルと麺を巻きつけていって口に運ぶ。

つるりとした舌触りと、クリームのまろやかさが口一杯にひろがって幸せに包まれる。
< 65 / 179 >

この作品をシェア

pagetop