初恋婚〜幼馴染のエリート同期と離れられなくなりました~
書きながらチラチラと一樹へ視線を向けては頬を赤らめている。
一樹に見とれているのは一目瞭然だった。

こんなことに気がつくなんて、なんとなく自分が嫌なヤツみたいに感じられてくる。
だけど事実なのだから仕方ない。

一樹はカッコイイし、街を歩けば沢山の女性たちの視線を集めていることだって知っている。

優莉奈は自然を背筋を伸ばして「私はタコワサを注文しようかな」と付け加えた。
できるだけ大きな声で。
彼女の視線が一樹から離れるように。

本当に食べたかったわけじゃないけれど、この子に自分の存在をアピールしなければと思ってしまった。

「あ、タコワサですね」
女性アルバイトはここでようやく優莉奈の存在に気がついたように視線を向け、それから怪訝そうな顔をした。

この人が彼女?
全然釣り合ってない。
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