初恋婚〜幼馴染のエリート同期と離れられなくなりました~
「実は明日母親が来るんだ。だけどどうしても片付けができなくて、手伝ってくれない?」
申し訳なさそうに言う一樹に優莉奈がまばたきを繰り返した。

「お、お母さんですか?」
「あぁ。このままじゃ部屋に呼べないから」

もしかして早くもお母さんに紹介してもらえるんだろうか。
それって一樹さんからすれば結婚前提のお付き合いということ!?

優莉奈の中で目まぐるしく思考が交錯する。
とにかく、この先どうなるかわからないもののこの部屋を放置することはできないことは事実だ。

今日ここに泊まるにしても、寝床くらいは確保しないといけない。
優莉奈は気合を入れるように腕まくりをした。

「わかりました。今から掃除をするので、掃除道具を貸してください」
優莉奈の言葉に一樹はホッとしたように微笑んだのだった。
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