神殺しのクロノスタシスⅤ〜後編〜
プロローグ
…イーニシュフェルト魔導学院、学生寮近くにて。
放課後。3人の女子生徒が、雨の中学生寮に歩いて帰っていた。
「はー、疲れた疲れた。ナジュ先生の実習って、本当分かりやすいよね〜」
「そうそう。こっちが分からないところをピンポイントで教えてくれるよね」
「まるで私達が何考えてるのか分かってるみたい。凄いよね〜」
「そういえば、ナジュ先生って彼女いるんだよね」
「らしいね。でも、天音先生とデキてるって噂もあるじゃん?」
「誰が本命なんだろう。気になるよね〜」
などと、他愛ないお喋りをしながら歩いていた…、
そのときだった。
「…にゃー」
「…ん?」
小さな鳴き声を聞き留めた女子生徒が、ふと立ち止まった。
「?どうしたの?」
「ねぇ、今猫の鳴き声聞こえなかった?」
「え?猫?」
つられて、残る二人も足を止めて耳を澄ます。
すると、再び。
「…にゃー」
「あっ…」
確かに聞こえた微かなその鳴き声に、三人共顔を見合わせた。
聞き間違いではない。本当に聞こえた。
三人は鳴き声の主を探して、学生寮の裏庭に向かった。
すると、そこに。
「にゃー…」
「…いた!」
びしょ濡れの薄汚れた猫が、木陰に蹲るようにして鳴いていた。
三人は急いで猫に駆け寄った。
「見て、足を怪我してる…!」
「回復魔法かけてあげよう」
一人が杖を取り出し、怪我をした猫にそっと回復魔法をかけた。
本来回復魔法は対人にのみ使われる魔法だが、魔力を加減すれば、人間以外の動物にも有効である。
そしてその程度の応用魔法は、イーニシュフェルト魔導学院の学生なら容易いものだった。
みるみるうちに、足の怪我は治った。
しかし、雨に濡れて奪われた体温までもが戻る訳ではない。
「すぐ温めてあげないと…」
「私、友達を呼んでくる。ちょっと待ってて」
「私はタオルを持ってくるわ」
…このような経緯で。
一時間後には、イーニシュフェルト魔導学院女子学生寮の一室に、一匹の迷い猫が保護されることになった。
放課後。3人の女子生徒が、雨の中学生寮に歩いて帰っていた。
「はー、疲れた疲れた。ナジュ先生の実習って、本当分かりやすいよね〜」
「そうそう。こっちが分からないところをピンポイントで教えてくれるよね」
「まるで私達が何考えてるのか分かってるみたい。凄いよね〜」
「そういえば、ナジュ先生って彼女いるんだよね」
「らしいね。でも、天音先生とデキてるって噂もあるじゃん?」
「誰が本命なんだろう。気になるよね〜」
などと、他愛ないお喋りをしながら歩いていた…、
そのときだった。
「…にゃー」
「…ん?」
小さな鳴き声を聞き留めた女子生徒が、ふと立ち止まった。
「?どうしたの?」
「ねぇ、今猫の鳴き声聞こえなかった?」
「え?猫?」
つられて、残る二人も足を止めて耳を澄ます。
すると、再び。
「…にゃー」
「あっ…」
確かに聞こえた微かなその鳴き声に、三人共顔を見合わせた。
聞き間違いではない。本当に聞こえた。
三人は鳴き声の主を探して、学生寮の裏庭に向かった。
すると、そこに。
「にゃー…」
「…いた!」
びしょ濡れの薄汚れた猫が、木陰に蹲るようにして鳴いていた。
三人は急いで猫に駆け寄った。
「見て、足を怪我してる…!」
「回復魔法かけてあげよう」
一人が杖を取り出し、怪我をした猫にそっと回復魔法をかけた。
本来回復魔法は対人にのみ使われる魔法だが、魔力を加減すれば、人間以外の動物にも有効である。
そしてその程度の応用魔法は、イーニシュフェルト魔導学院の学生なら容易いものだった。
みるみるうちに、足の怪我は治った。
しかし、雨に濡れて奪われた体温までもが戻る訳ではない。
「すぐ温めてあげないと…」
「私、友達を呼んでくる。ちょっと待ってて」
「私はタオルを持ってくるわ」
…このような経緯で。
一時間後には、イーニシュフェルト魔導学院女子学生寮の一室に、一匹の迷い猫が保護されることになった。
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