神殺しのクロノスタシスⅤ〜後編〜
第6章
――――――…シュニィが何者かに拉致されてから、一週間が経過した。

シュニィにとってもそうだったと思うが、俺達にとっても非常に長い一週間だった。

…いや。

俺やシルナにとっては、まだマシだったろうな。

シュニィを何より大切に思う…シュニィの家族に比べたら…。

彼らがこの一週間、何を思い、どんな気持ちで過ごしたのかと思うと。

思わず、こっちまで胸を締め付けられる。

シュニィを誰より大切に思っているアトラスを筆頭に、そんなアトラスとシュニィの子供達。

アイナとレグルスにとっては、とても辛い一週間だったに違いない。

何の事情も知らされずに、ある日いきなり母親が帰ってこなくなってしまった、幼い二人の子供達のことを思うと…俺も気が重くなるどころじゃなかった。

一刻も早く、シュニィを助けに行きたい。

しかし、一週間が経っても、俺達は手をこまねいてじっとしていることしか出来なかった。

…誠に不甲斐ない限りである。
< 102 / 699 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop