神殺しのクロノスタシスⅤ〜後編〜
「…」
シュニィ・ルシェリートは無言だった。
言葉を発する代わりに、彼女はぽろぽろと涙を流していた。
…おかしな人だ。
「…何で、君が泣くの?」
「だって…だって、そんなの…あんまりじゃないですか。いくらなんでも…辛過ぎる」
本当に、おかしな人だね。
「人間の身にはそうかもね。でも…僕はバケモノだから」
人間でも魔物でもない、どっちつかずの半端者。
幸福になることを、居場所を求めることを許されない罪人。
そんなバケモノには、これくらいの扱いが丁度良いだろう?
「これで分かったでしょう?」
僕に居場所なんてあっちゃいけない。許されてはいけない。
…だから、そんな風に優しい言葉をかける必要はないんだ。
僕の為に涙を流す必要なんてないんだ。
僕は…口汚く罵られ、唾を吐きかけられるべき立場であって…。
「永遠に…ずっと一人で…生きていくべき存在なんだよ」
決して夢なんて見ない。希望なんて持たない。
大切にしていた全てを、自分の手で八つ裂きにする。
あの深い絶望感に襲われるくらいなら、いっそ僕は…。
…それなのに。
シュニィ・ルシェリートは、涙に濡れた瞳で僕を見つめ。
「…本当に、あなたは憎まれていたんですか?」
「…え?」
突然、僕にそんな質問をした。
シュニィ・ルシェリートは無言だった。
言葉を発する代わりに、彼女はぽろぽろと涙を流していた。
…おかしな人だ。
「…何で、君が泣くの?」
「だって…だって、そんなの…あんまりじゃないですか。いくらなんでも…辛過ぎる」
本当に、おかしな人だね。
「人間の身にはそうかもね。でも…僕はバケモノだから」
人間でも魔物でもない、どっちつかずの半端者。
幸福になることを、居場所を求めることを許されない罪人。
そんなバケモノには、これくらいの扱いが丁度良いだろう?
「これで分かったでしょう?」
僕に居場所なんてあっちゃいけない。許されてはいけない。
…だから、そんな風に優しい言葉をかける必要はないんだ。
僕の為に涙を流す必要なんてないんだ。
僕は…口汚く罵られ、唾を吐きかけられるべき立場であって…。
「永遠に…ずっと一人で…生きていくべき存在なんだよ」
決して夢なんて見ない。希望なんて持たない。
大切にしていた全てを、自分の手で八つ裂きにする。
あの深い絶望感に襲われるくらいなら、いっそ僕は…。
…それなのに。
シュニィ・ルシェリートは、涙に濡れた瞳で僕を見つめ。
「…本当に、あなたは憎まれていたんですか?」
「…え?」
突然、僕にそんな質問をした。