神殺しのクロノスタシスⅤ〜後編〜
――――――…一方、その晩。





「こんばんは、リリス」

「…」

いつも通り僕は、精神世界のリリスに会いに行った。

いつもは笑顔で迎えてくれるリリスだが、今晩は浮かない顔である。

僕はリリスのどんな顔も好きだけれど、リリスに不安な顔をさせるのは本意ではない。

やっぱり、好きな女の子にはずっと笑ってて欲しい。

と、思うのが男の性である。

でも、リリスにこんな顔させてるのも、僕が原因なんですよね。

いやぁ誠に不甲斐ない。

他に方法があるのならそうするんですが、生憎今はこれしかないので。

「僕が何を言いたいのか…分かりますよね?」

「…分かってるよ」

リリスは僕と同じものを見て、同じものを聞いている。

それなら分かるはずだ。

僕が今から、リリスに何を聞こうとしているのか。

じゃ、遠慮なく。

「教えて下さい。シュニィさんを拉致した魔物の正体を」

「…」

リリスはしばし無言で、僕をじっと見つめ。

…それから。

「…はぁ~…」

という、深~い溜め息をついた。

ありがとうございます。
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