神殺しのクロノスタシスⅤ〜後編〜
令月とすぐりを置いて、大人達だけで猫カフェに入店。

新感覚。

「わー、猫ちゃんだ~。可愛いねぇ。こっちおいでー、よしよし」

これには、シルナもテンション爆上がり。

シルナが言うと、猫が相手だと分かっていても犯罪に聞こえるから不思議。

「羽久が私に失礼なこと考えてる気がするけど…猫ちゃんが可愛いから良いや」

そうか。

シルナより、肝心のマシュリの反応はどうだ?

「マシュリ、どうだ?感想…」

「…!猫…同類…!」

「…楽しそうで何より」

今日一番ってくらい大興奮だった。

今日色んなところ紹介して回ったけど、猫カフェが断トツぶっちぎりで刺さってるな。

「ね?マシュリさん、喜んでるでしょ?」

「うん…。ナジュ君が僕に、『猫カフェを紹介してあげましょうよ』って言ったときは、それってどうなんだろうと思ってたけど…」

俺も思ったよ。

そりゃ確かに、マシュリは普段、猫の姿でいることが多いけど。

あれはあくまで、マシュリの『変化』の能力で、猫の姿をしているに過ぎない。

本物の猫じゃないんだから、猫を同類と呼ぶのは、厳密には間違ってるはずなんだが…。

「…え、ここでは銀の猫缶?そうなんだ。…うん、分かるよ。やっぱり金の猫缶が美味しいよね」

マシュリは猫を膝に乗せて、あろうことか猫と会話していた。

お前それ、話通じてんの?

他の客や店員さんが、「危ない人だ…」みたいな顔で見ていた。恥ずかしい。

…他人の振りしておこう。

「あいつは…。…猫だな」

「大興奮でちゅちゅ~るにむしゃぶりついてる時点で、彼は猫ですよ」

全くだ。

マシュリのことは、とりあえず放っとこう。

危ない人の仲間だと思われたくないし。
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