神殺しのクロノスタシスⅤ〜後編〜
「アトラスさん、お帰りなさい。今、学院長先生方と、それにマシュリさんも来てくださってるんですよ」
と、シュニィが説明した。
しかし、アトラスの興味関心は、俺達客人ではなく。
「はっ!アイナ!それにレグルスも」
客人そっちのけで、ソファに寝転んですやすや寝息を立てている、自分の子供達の方に目を向けた。
小さい子供達より、俺達の方がずっとデカいはずなんだけどな。
俺達は二の次らしい。
仕方ない。アトラスだからな。
「こんなところにいたのか!子供部屋にいないから、二人のあまりの可愛さに攫われてしまったのかもしれないと心配したぞ!」
ごめん。攫ってました。
「そんな訳ないでしょう、全く…」
呆れるシュニィだったが、ついこの間までそのシュニィが攫われてたもんだから。
アトラスにとっては、気が気じゃないんだろう。
まぁ、その気持ちは分かる…。
「それより、大きな声を出さないでください。二人共もう寝てるんですよ」
「むっ!そ、そうか…。…いや、待て」
何を?
眠っている二人の我が子を見て、アトラスはしゅばっ、と振り向いた。
「もう寝てるのか?この時間は、いつも俺と遊んでくれる時間なのに…!?」
…。
「…そうなのか?シュニィ」
「あ、はい…。いつもアトラスさんが仕事から帰ってきたら、寝る時間になるまで一緒に遊んでくれてるんです…」
だ、そうだ。
聖魔騎士団団長の身は多忙で、毎日くたくたになって帰ってくるんだろうに。
それでも家に帰ったら、二人の元気いっぱいの子供達の相手をしてくれるんだな。
さすが、無尽蔵の体力おばけである。
「二人共、毎日アトラスさんが遊んでくれるのを楽しみに待ってて…。でも、今日は…」
…アトラスより先に、マシュリがしこたま一緒に遊んでくれたので。
二人共、既に夢の中である。
そうか。なんか…アトラスに申し訳ないことしてしまったな…。
「マシュリさんが遊んでくれたんですよ、アイナの我儘にも付き合ってくださって…」
「なんてことだ…!客人に先を越されるとは…」
アトラスは、その場にがくんと膝をついた。
そんな大袈裟な…。
「…今日は、アイナと一緒に妖怪大戦争ごっこをする約束だったのに…」
アイナが、あれほど妖怪の造詣が深ったのは、お前のせいかよ。
なんて物騒な遊びだ。
…まぁ、良いじゃないか。どっちみち、アイナは妖怪大戦争みたいな遊びしてたよ、さっき。
マシュリが一人で妖怪役をやってくれた。
「…お前か?俺の一日の楽しみを奪ったのは?」
殺意すらこもった目で、じろりとマシュリを睨むアトラス。
ひぇっ。
「ちょ、ちょっとアトラスさん。マシュリさんは悪くありませんよ」
まぁ、うん。その、なんつーか。
色々と、成り行きでな…。
お前の楽しみを奪うつもりはなかったんだが。
「ほら、見てください。二人共満足した顔をしてるでしょう?」
「ぐ、ぐぬぬ…」
シュニィに言われて、マシュリの傍らで眠る二人の子の顔を見ると。
楽しく遊んで疲れ切った、満足そうな顔であった。
子供がこんな顔して寝てるんだから、親としては何も文句は言えんわな。
本望ってものだろう。
と、シュニィが説明した。
しかし、アトラスの興味関心は、俺達客人ではなく。
「はっ!アイナ!それにレグルスも」
客人そっちのけで、ソファに寝転んですやすや寝息を立てている、自分の子供達の方に目を向けた。
小さい子供達より、俺達の方がずっとデカいはずなんだけどな。
俺達は二の次らしい。
仕方ない。アトラスだからな。
「こんなところにいたのか!子供部屋にいないから、二人のあまりの可愛さに攫われてしまったのかもしれないと心配したぞ!」
ごめん。攫ってました。
「そんな訳ないでしょう、全く…」
呆れるシュニィだったが、ついこの間までそのシュニィが攫われてたもんだから。
アトラスにとっては、気が気じゃないんだろう。
まぁ、その気持ちは分かる…。
「それより、大きな声を出さないでください。二人共もう寝てるんですよ」
「むっ!そ、そうか…。…いや、待て」
何を?
眠っている二人の我が子を見て、アトラスはしゅばっ、と振り向いた。
「もう寝てるのか?この時間は、いつも俺と遊んでくれる時間なのに…!?」
…。
「…そうなのか?シュニィ」
「あ、はい…。いつもアトラスさんが仕事から帰ってきたら、寝る時間になるまで一緒に遊んでくれてるんです…」
だ、そうだ。
聖魔騎士団団長の身は多忙で、毎日くたくたになって帰ってくるんだろうに。
それでも家に帰ったら、二人の元気いっぱいの子供達の相手をしてくれるんだな。
さすが、無尽蔵の体力おばけである。
「二人共、毎日アトラスさんが遊んでくれるのを楽しみに待ってて…。でも、今日は…」
…アトラスより先に、マシュリがしこたま一緒に遊んでくれたので。
二人共、既に夢の中である。
そうか。なんか…アトラスに申し訳ないことしてしまったな…。
「マシュリさんが遊んでくれたんですよ、アイナの我儘にも付き合ってくださって…」
「なんてことだ…!客人に先を越されるとは…」
アトラスは、その場にがくんと膝をついた。
そんな大袈裟な…。
「…今日は、アイナと一緒に妖怪大戦争ごっこをする約束だったのに…」
アイナが、あれほど妖怪の造詣が深ったのは、お前のせいかよ。
なんて物騒な遊びだ。
…まぁ、良いじゃないか。どっちみち、アイナは妖怪大戦争みたいな遊びしてたよ、さっき。
マシュリが一人で妖怪役をやってくれた。
「…お前か?俺の一日の楽しみを奪ったのは?」
殺意すらこもった目で、じろりとマシュリを睨むアトラス。
ひぇっ。
「ちょ、ちょっとアトラスさん。マシュリさんは悪くありませんよ」
まぁ、うん。その、なんつーか。
色々と、成り行きでな…。
お前の楽しみを奪うつもりはなかったんだが。
「ほら、見てください。二人共満足した顔をしてるでしょう?」
「ぐ、ぐぬぬ…」
シュニィに言われて、マシュリの傍らで眠る二人の子の顔を見ると。
楽しく遊んで疲れ切った、満足そうな顔であった。
子供がこんな顔して寝てるんだから、親としては何も文句は言えんわな。
本望ってものだろう。