神殺しのクロノスタシスⅤ〜後編〜
不味い。非常に不味い状況だ。
「…どうする?今からでも…連れ戻しに行くか?」
あいつらが、ナツキ様を手に掛ける…その前に。
何とか…アーリヤット皇国まで追いかけていって、無理矢理でも連れ戻すしか…。
「それは…間に合わないと思う」
…だよなぁ。
「暗殺に関しては、私達よりずっとプロなんですよ。今更追いかけていって、止める暇があるとは思えません」
イレースもこう言ってる。
「成り行きに任せるしかないって言うのか…。俺達が…令月とすぐりを止められなかったばかりに…」
フユリ様が、世界中から責められるようなことになったら。
俺ら、どう責任取れば良いんだ?
…しかし。
「そんなに心配しなくても、大丈夫だと思うよ」
ずっと黙っていたシルナが、苦笑気味に言った。
はぁ?
「何が大丈夫なんだよ…?」
「令月君もすぐり君も、それが分からないほど考え無しじゃないからね」
…それは。
…そうかもしれないけど。
「僕も同感です。二人は暗殺のプロなんですから、国の要人を殺したらどうなるのか、僕達よりよく知っているでしょう」
ナジュまで。
令月達のことを信頼しているのか?そりゃあ、俺も信じたいけど…。
「でも…暗殺しに行ったんじゃないなら、何しに行ったんだ?」
「さぁ…。さしづめ、敵情視察ってところですかね?」
視察?偵察?
ナツキ様の腹を探りに行ったのか?
そうだったら良いなと思うけど、本当にそれだけで帰ってきてくれるのだろうか。
不安しかない。
「大丈夫だよ。きっと、ちゃんと帰ってきてくれるはずだよ」
シルナはそう言うけども…。
万が一のことが起きたら…と、俺はどうしても心配になってしまう。
あいつらなら捕まらないだろう、というのも、俺達の楽観視なのでは?
アーリヤット皇国には『HOME』という、手練れ揃いの皇王直属軍もいる訳で。
そいつらに、令月とすぐりが捕まるようなことになったら。
それにマシュリだって…。ナツキ様に捕まったら、絶対ただでは済まされないだろうし。
「心配性ですね、羽久さんは」
俺の心を読んで、ナジュが言った。
…お前が心配しなさ過ぎなんだよ。
「何かあったら、そのときはそのときですよ。どっしり構えていましょうよ」
「…俺も、お前のように考えられるようになりたいよ」
勿論、あいつらを信頼しているけども。
信じているが故に、不安になることもあるんだよ。
「…無事でいてくれると良いんだが」
俺達にこんな心配をかけて。
あいつら三人共、帰ってきたら覚えとけよ。マジで。
「…どうする?今からでも…連れ戻しに行くか?」
あいつらが、ナツキ様を手に掛ける…その前に。
何とか…アーリヤット皇国まで追いかけていって、無理矢理でも連れ戻すしか…。
「それは…間に合わないと思う」
…だよなぁ。
「暗殺に関しては、私達よりずっとプロなんですよ。今更追いかけていって、止める暇があるとは思えません」
イレースもこう言ってる。
「成り行きに任せるしかないって言うのか…。俺達が…令月とすぐりを止められなかったばかりに…」
フユリ様が、世界中から責められるようなことになったら。
俺ら、どう責任取れば良いんだ?
…しかし。
「そんなに心配しなくても、大丈夫だと思うよ」
ずっと黙っていたシルナが、苦笑気味に言った。
はぁ?
「何が大丈夫なんだよ…?」
「令月君もすぐり君も、それが分からないほど考え無しじゃないからね」
…それは。
…そうかもしれないけど。
「僕も同感です。二人は暗殺のプロなんですから、国の要人を殺したらどうなるのか、僕達よりよく知っているでしょう」
ナジュまで。
令月達のことを信頼しているのか?そりゃあ、俺も信じたいけど…。
「でも…暗殺しに行ったんじゃないなら、何しに行ったんだ?」
「さぁ…。さしづめ、敵情視察ってところですかね?」
視察?偵察?
ナツキ様の腹を探りに行ったのか?
そうだったら良いなと思うけど、本当にそれだけで帰ってきてくれるのだろうか。
不安しかない。
「大丈夫だよ。きっと、ちゃんと帰ってきてくれるはずだよ」
シルナはそう言うけども…。
万が一のことが起きたら…と、俺はどうしても心配になってしまう。
あいつらなら捕まらないだろう、というのも、俺達の楽観視なのでは?
アーリヤット皇国には『HOME』という、手練れ揃いの皇王直属軍もいる訳で。
そいつらに、令月とすぐりが捕まるようなことになったら。
それにマシュリだって…。ナツキ様に捕まったら、絶対ただでは済まされないだろうし。
「心配性ですね、羽久さんは」
俺の心を読んで、ナジュが言った。
…お前が心配しなさ過ぎなんだよ。
「何かあったら、そのときはそのときですよ。どっしり構えていましょうよ」
「…俺も、お前のように考えられるようになりたいよ」
勿論、あいつらを信頼しているけども。
信じているが故に、不安になることもあるんだよ。
「…無事でいてくれると良いんだが」
俺達にこんな心配をかけて。
あいつら三人共、帰ってきたら覚えとけよ。マジで。