神殺しのクロノスタシスⅤ〜後編〜
…こいつら。
…いつの間に?
「…お前ら、いつ帰ってきたんだ?」
「え?さっき」
…あ、そう。
あまりにも自然に、しれっと会話に参加するもんだから、色々忘れかけてたよ。
ナツキ様のもとにヴァルシーナがいる。この情報を仕入れることが出来たのは大きい。
…大きいんだけども。
「…とりあえず、お前ら。そこに直れ」
「え?」
え?じゃないんだよ。
それとこれとは話が別だからな。
「イレース、ファラリスの準備を」
「既にしてます」
イレースは、ぴっかぴかに磨かれたファラリスの雄牛を台座に乗せて、ガラガラと運んできていた。
さすが。準備が良い。
じゃ、やるか。
「あ、あわわわわ…。さ、三人共拷問されちゃう…」
シルナは横でぶるぶるしていた。知らん。
今回ばかりは、いい加減俺の堪忍袋の緒が切れたからな。
「処刑の前に…一応、釈明くらいは聞いてやろう」
俺にも一応、慈悲の欠片くらいはある。
聞いてやろうじゃないか。言い訳を。
「お前ら、何処に行ってた?」
「アーリヤット皇国」
いけしゃあしゃあと。
やっぱり行ってたんだな。エリュティアの言った通りだ。
「何しに行ってた?」
「敵情視察」
敵情視察…。
「つまり、ナツキ様に会ってきたんだな?」
「会ってはないよ。面拝んできただけ」
そうかよ。
「あんまり似てなかったね。あの兄妹」
顔の感想はどうでも良いんだよ。
「そしたら、ヴァルシーナを見つけたんだ」
「あれは驚いたよねー」
俺も驚いたよ。
お前達が、当たり前のようにアーリヤット皇国に行って、当たり前のように帰ってきたことにな。
「だいじょーぶだよ。絶対姿は見られてないって断言出来るから」
と、言い切るすぐり。
…その心配はしてないよ。姿を隠しての隠密行動において、お前らの右に出る者はいないだろう。
当然ナツキ様は、令月達の潜入にも気づいてないはずだ。
こうして無事に帰ってきたというのが、何よりの証拠。
…だけどな。
バレなきゃ良いって、そういう問題じゃないから。
…いつの間に?
「…お前ら、いつ帰ってきたんだ?」
「え?さっき」
…あ、そう。
あまりにも自然に、しれっと会話に参加するもんだから、色々忘れかけてたよ。
ナツキ様のもとにヴァルシーナがいる。この情報を仕入れることが出来たのは大きい。
…大きいんだけども。
「…とりあえず、お前ら。そこに直れ」
「え?」
え?じゃないんだよ。
それとこれとは話が別だからな。
「イレース、ファラリスの準備を」
「既にしてます」
イレースは、ぴっかぴかに磨かれたファラリスの雄牛を台座に乗せて、ガラガラと運んできていた。
さすが。準備が良い。
じゃ、やるか。
「あ、あわわわわ…。さ、三人共拷問されちゃう…」
シルナは横でぶるぶるしていた。知らん。
今回ばかりは、いい加減俺の堪忍袋の緒が切れたからな。
「処刑の前に…一応、釈明くらいは聞いてやろう」
俺にも一応、慈悲の欠片くらいはある。
聞いてやろうじゃないか。言い訳を。
「お前ら、何処に行ってた?」
「アーリヤット皇国」
いけしゃあしゃあと。
やっぱり行ってたんだな。エリュティアの言った通りだ。
「何しに行ってた?」
「敵情視察」
敵情視察…。
「つまり、ナツキ様に会ってきたんだな?」
「会ってはないよ。面拝んできただけ」
そうかよ。
「あんまり似てなかったね。あの兄妹」
顔の感想はどうでも良いんだよ。
「そしたら、ヴァルシーナを見つけたんだ」
「あれは驚いたよねー」
俺も驚いたよ。
お前達が、当たり前のようにアーリヤット皇国に行って、当たり前のように帰ってきたことにな。
「だいじょーぶだよ。絶対姿は見られてないって断言出来るから」
と、言い切るすぐり。
…その心配はしてないよ。姿を隠しての隠密行動において、お前らの右に出る者はいないだろう。
当然ナツキ様は、令月達の潜入にも気づいてないはずだ。
こうして無事に帰ってきたというのが、何よりの証拠。
…だけどな。
バレなきゃ良いって、そういう問題じゃないから。