神殺しのクロノスタシスⅤ〜後編〜
…ナツキ様の去った部屋の中で。
「…もぐもぐ」
「…食うなよ…」
お菓子に罪はないとばかりに、シルナはテーブルの上のお菓子を摘んでいた。
折角なら、食べておかなきゃ損ってか?
そりゃそうかもしれないけど、でもそれは現実逃避だぞ。
「…どうする?シルナ…」
「…どうするって言われても…。…どうしようもないよね」
「…そうだな…」
再考の余地はないってくらいに、お互い衝突して交渉決裂してしまった訳だし。
むしろ、帰り道の安全を保証してくれただけで、ナツキ様としてはだいぶ譲歩してくれてると思うぞ。
でも、何回考えたって、あの場でナツキ様の手を取るなんて有り得なかった。
ルーデュニア聖王国に帰って、皆に意見を求めたって、答えは変わらなかっただろう。
いずれにしても、ナツキ様とは対立する運命にあったのだ。
…だとしたら、もうウジウジしたって仕方ないな。
「ナツキ様の気が変わらないうちに、俺達もさっさと帰るぞ、シルナ」
やっぱり帰り道を強襲しよう、なんて心変わりされたら、俺達の命が危うい。
「ちょ、ちょっと待って羽久。あれは珍しいお菓子なんだよ。ブリガデイロっていう異国の、」
「良いから、早くしろ!」
もし帰り道で襲われたら、お菓子なんて二度と食べられなくなるんだぞ。
それが嫌なら、帰り道が保証されているうちに早く帰るぞ。
俺はシルナの首根っこを掴んで、急いでホテルを後にした。
「…もぐもぐ」
「…食うなよ…」
お菓子に罪はないとばかりに、シルナはテーブルの上のお菓子を摘んでいた。
折角なら、食べておかなきゃ損ってか?
そりゃそうかもしれないけど、でもそれは現実逃避だぞ。
「…どうする?シルナ…」
「…どうするって言われても…。…どうしようもないよね」
「…そうだな…」
再考の余地はないってくらいに、お互い衝突して交渉決裂してしまった訳だし。
むしろ、帰り道の安全を保証してくれただけで、ナツキ様としてはだいぶ譲歩してくれてると思うぞ。
でも、何回考えたって、あの場でナツキ様の手を取るなんて有り得なかった。
ルーデュニア聖王国に帰って、皆に意見を求めたって、答えは変わらなかっただろう。
いずれにしても、ナツキ様とは対立する運命にあったのだ。
…だとしたら、もうウジウジしたって仕方ないな。
「ナツキ様の気が変わらないうちに、俺達もさっさと帰るぞ、シルナ」
やっぱり帰り道を強襲しよう、なんて心変わりされたら、俺達の命が危うい。
「ちょ、ちょっと待って羽久。あれは珍しいお菓子なんだよ。ブリガデイロっていう異国の、」
「良いから、早くしろ!」
もし帰り道で襲われたら、お菓子なんて二度と食べられなくなるんだぞ。
それが嫌なら、帰り道が保証されているうちに早く帰るぞ。
俺はシルナの首根っこを掴んで、急いでホテルを後にした。