神殺しのクロノスタシスⅤ〜後編〜
本気でやるのか?
この、いかにも屈強そうな…。
シルナだったら、片足で踏んづけられただけでぺちゃんこになりそうな、筋骨隆々の戦士と。
それに、あいつが持ってるあの巨大な斧。
アトラス愛用の大剣もかくやという、凄まじく巨大で重そうな武器だ。
あんなもの、ほんのちょっとでも掠っただけで、腕が潰れるぞ。
ましてや、身体に直撃なんて食らってみろ。
死ぬ。絶対死ぬ。即死だ。
おまけに、いかにもバーサーカー然とした、戦い好きな戦闘狂タイプの性格と来た。
女性相手だからって、情け容赦をしてくれそうな雰囲気は全くない。
そもそも、ナツキ様がわざわざ指名して戦わせている以上、ハナから情け容赦なんて期待出来ない。
どころか、いたぶって遊んでやると宣言しているくらいだ。
戦う前から、危険な匂いしかしない。
それでも、俺達には拒否する権利も、チェンジの要求も出来ないのだ。
…こうなったら、受けて立つ他にどうしようもなかった。
ほら、その、割とベリクリーデも力押しで戦うタイプだし。
ベリクリーデの持ち味と言えば、聖魔騎士団魔導部隊の中でもトップクラスの魔力の量。
俺より魔力多いし、何ならシルナより豊富な魔力量を誇っている。
目には目を、歯には歯を、力には力を。
ベリクリーデの豊富な魔力で、あの巨大な斧を粉砕する…みたいな奇跡が起きるかもしれないじゃないか。
起きてくれなかったら困るんだが。
…しかし。
「…お前、ベリーシュか」
ジュリスが、ポツリとベリクリーデに向かって言った。
…ベリーシュ?誰?
そういやさっきから、ベリクリーデの様子がいつもと違うような…?
「うん。私じゃない方が良かったかな」
「いや…。お前の方が冷静に戦えるから、むしろ好都合だ」
と、ジュリスが答えた。
よく分からないけれど、少しでも決闘に有利な状態になっているのなら、それに越したことはない。
「良いか、焦るなよ。逃げ回っても良いから、時間を稼いで隙を伺え。一瞬たりとも気を抜くな」
「うん、分かってる」
ジュリスがベリクリーデに、最後のアドバイスを伝えた。
あの筋骨隆々バーサーカーを前に、落ち着けと言われても無理な話だがな。
「それから…お前が戦うのなら、これを持っていけ」
そう言って、ジュリスはベリクリーデに両手剣を与えた。
あの剣…前にも見たことがあるな。
この、いかにも屈強そうな…。
シルナだったら、片足で踏んづけられただけでぺちゃんこになりそうな、筋骨隆々の戦士と。
それに、あいつが持ってるあの巨大な斧。
アトラス愛用の大剣もかくやという、凄まじく巨大で重そうな武器だ。
あんなもの、ほんのちょっとでも掠っただけで、腕が潰れるぞ。
ましてや、身体に直撃なんて食らってみろ。
死ぬ。絶対死ぬ。即死だ。
おまけに、いかにもバーサーカー然とした、戦い好きな戦闘狂タイプの性格と来た。
女性相手だからって、情け容赦をしてくれそうな雰囲気は全くない。
そもそも、ナツキ様がわざわざ指名して戦わせている以上、ハナから情け容赦なんて期待出来ない。
どころか、いたぶって遊んでやると宣言しているくらいだ。
戦う前から、危険な匂いしかしない。
それでも、俺達には拒否する権利も、チェンジの要求も出来ないのだ。
…こうなったら、受けて立つ他にどうしようもなかった。
ほら、その、割とベリクリーデも力押しで戦うタイプだし。
ベリクリーデの持ち味と言えば、聖魔騎士団魔導部隊の中でもトップクラスの魔力の量。
俺より魔力多いし、何ならシルナより豊富な魔力量を誇っている。
目には目を、歯には歯を、力には力を。
ベリクリーデの豊富な魔力で、あの巨大な斧を粉砕する…みたいな奇跡が起きるかもしれないじゃないか。
起きてくれなかったら困るんだが。
…しかし。
「…お前、ベリーシュか」
ジュリスが、ポツリとベリクリーデに向かって言った。
…ベリーシュ?誰?
そういやさっきから、ベリクリーデの様子がいつもと違うような…?
「うん。私じゃない方が良かったかな」
「いや…。お前の方が冷静に戦えるから、むしろ好都合だ」
と、ジュリスが答えた。
よく分からないけれど、少しでも決闘に有利な状態になっているのなら、それに越したことはない。
「良いか、焦るなよ。逃げ回っても良いから、時間を稼いで隙を伺え。一瞬たりとも気を抜くな」
「うん、分かってる」
ジュリスがベリクリーデに、最後のアドバイスを伝えた。
あの筋骨隆々バーサーカーを前に、落ち着けと言われても無理な話だがな。
「それから…お前が戦うのなら、これを持っていけ」
そう言って、ジュリスはベリクリーデに両手剣を与えた。
あの剣…前にも見たことがあるな。