神殺しのクロノスタシスⅤ〜後編〜
第25章
――――――…目の前で起きた決闘が、現実のものだとは思えなかった。
…ベリクリーデが、勝った。
…そう思って良いんだよな?
「ただいま」
けろっとした顔をして、ベリクリーデはルーデュニア聖王国側の観客席に戻ってきた。
「べ、ベリクリーデ…」
お前、本当に…。…無事、なんだよな?
…さっき、ベリクリーデがバニシンにふっ飛ばされて、右手を潰されたとき。
もう無理だと思った。これ以上戦えない、棄権するべきだと。
…それなのに、まさかあの状況から逆転勝利して戻ってくるなんて。
「さすがに疲れた」
そんな、はしゃぎ過ぎて疲れたみたいな。
「…あっ…!右手…!」
俺と同じく、ポカンとしてベリクリーデを見つめていた天音が、ハッと我に返った。
ベリクリーデの右手が潰れていることを思い出したらしい。
「大丈夫?すぐ治すから…!」
慌ててベリクリーデに駆け寄り、回復魔法をかけた…のだが。
「うん。ありが…と、」
「…おっと」
ベリクリーデは突然、ふっと意識を失って倒れそうになった。
そんなベリクリーデを、ジュリスが咄嗟に支えた。
「えっ、だ、大丈夫…!?」
突然意識を失ったベリクリーデに、天音はぎょっとしていたが。
「大丈夫だ。多分…また眠ったんだろう」
と、答えるジュリス。
眠っただけ…?なら、大丈夫なのか…?
何にせよ、回復魔法はかけておいた方が良いだろうな。
「…お疲れさん、ベリーシュ」
ジュリスは、俺達に聞こえないようにそっと、ベリクリーデの耳元で囁いた。
…ベリクリーデが、勝った。
…そう思って良いんだよな?
「ただいま」
けろっとした顔をして、ベリクリーデはルーデュニア聖王国側の観客席に戻ってきた。
「べ、ベリクリーデ…」
お前、本当に…。…無事、なんだよな?
…さっき、ベリクリーデがバニシンにふっ飛ばされて、右手を潰されたとき。
もう無理だと思った。これ以上戦えない、棄権するべきだと。
…それなのに、まさかあの状況から逆転勝利して戻ってくるなんて。
「さすがに疲れた」
そんな、はしゃぎ過ぎて疲れたみたいな。
「…あっ…!右手…!」
俺と同じく、ポカンとしてベリクリーデを見つめていた天音が、ハッと我に返った。
ベリクリーデの右手が潰れていることを思い出したらしい。
「大丈夫?すぐ治すから…!」
慌ててベリクリーデに駆け寄り、回復魔法をかけた…のだが。
「うん。ありが…と、」
「…おっと」
ベリクリーデは突然、ふっと意識を失って倒れそうになった。
そんなベリクリーデを、ジュリスが咄嗟に支えた。
「えっ、だ、大丈夫…!?」
突然意識を失ったベリクリーデに、天音はぎょっとしていたが。
「大丈夫だ。多分…また眠ったんだろう」
と、答えるジュリス。
眠っただけ…?なら、大丈夫なのか…?
何にせよ、回復魔法はかけておいた方が良いだろうな。
「…お疲れさん、ベリーシュ」
ジュリスは、俺達に聞こえないようにそっと、ベリクリーデの耳元で囁いた。