神殺しのクロノスタシスⅤ〜後編〜
第26章
…さぁ、いよいよ決闘は三回戦。
結局、三回戦までやることになってしまったか。
両国、一勝一敗の状態で…この三回戦で決着がつく。
いや、俺は認めてないけどな。一勝一敗なんて。
客観的に見たら、どう考えてもルーデュニア聖王国が二連勝だよ。
「それでは、三回戦…最終試合を開始します」
全ては、この公正から程遠いジャッジをした、ミナミノ共和国の審判マミナ・ミニアルのせいだ。
この人はナツキ様に指示されただけで、個人的な悪意を持ってルーデュニア聖王国に不利なジャッジをしている訳ではないだろう。
それは分かってるけど、やはり恨まずにはいられない。
あんたが正義感に負けず、ちゃんと公平なジャッジをしてくれれば…。
今頃、ルーデュニア聖王国の大勝利で決闘が終わっていただろうに。
上手く行かないもんだ。
「アーリヤット皇国の代表を選んでください」
最終試合くらい、俺達の方から選ばせてくれても良いんだぞ。
さぁ、誰が出てくるやら。
ナツキ様としても、絶対に負けられない戦いとなる。
あんな卑怯な方法で、二回戦を「勝利」したのだから。
三回戦こそ鮮やかに、文句のつけようのない勝利を収めたいところだろう。
その為に、彼が選んだのは…。
「…ハクロ」
「こちらに」
横柄な口調でナツキ様が呼ぶと、長い白髪の女が彼の前にスッと現れた。
あの女…見覚えがあるぞ。
更に。
「コクロ、お前もだ」
「畏まりました、皇王陛下」
今度は、長い黒髪の女を呼んだ。
驚いたことに、コクロと呼ばれたその女は、ハクロと全く同じ顔だった。
ただ、髪の色と衣服の色が違うだけ。
何だ、あいつら…双子か?
片方は見たことがある。ルーデュニア聖王国の港に、くそったれな最後通牒を伝える為に、大群率いてやって来た大将だ。
片割れがいたのか…。
揃いも揃って…ナツキ様の忠実な犬であるらしい。
そんな卑怯者に仕えて、一体何が楽しいんだ?
いや、それよりも。
「どういうことだ?二人も…」
ナツキ様はハクロとコクロ、二人の人間を決闘の代表に指名した。
この二人は、二人で一人だから、とか言い出さないよな?
さっきの、マシュリの反則負けのことがあるから。
それくらいの身勝手は、当たり前のように言い出しそうじゃないか?
しかし、そうではなかった。
「その代わり、お前達からも二人選ぶ。最終戦は、二対二の決闘だ」
ナツキ様は、一方的にそう決めつけた。
…これは、まさかの展開だな。
結局、三回戦までやることになってしまったか。
両国、一勝一敗の状態で…この三回戦で決着がつく。
いや、俺は認めてないけどな。一勝一敗なんて。
客観的に見たら、どう考えてもルーデュニア聖王国が二連勝だよ。
「それでは、三回戦…最終試合を開始します」
全ては、この公正から程遠いジャッジをした、ミナミノ共和国の審判マミナ・ミニアルのせいだ。
この人はナツキ様に指示されただけで、個人的な悪意を持ってルーデュニア聖王国に不利なジャッジをしている訳ではないだろう。
それは分かってるけど、やはり恨まずにはいられない。
あんたが正義感に負けず、ちゃんと公平なジャッジをしてくれれば…。
今頃、ルーデュニア聖王国の大勝利で決闘が終わっていただろうに。
上手く行かないもんだ。
「アーリヤット皇国の代表を選んでください」
最終試合くらい、俺達の方から選ばせてくれても良いんだぞ。
さぁ、誰が出てくるやら。
ナツキ様としても、絶対に負けられない戦いとなる。
あんな卑怯な方法で、二回戦を「勝利」したのだから。
三回戦こそ鮮やかに、文句のつけようのない勝利を収めたいところだろう。
その為に、彼が選んだのは…。
「…ハクロ」
「こちらに」
横柄な口調でナツキ様が呼ぶと、長い白髪の女が彼の前にスッと現れた。
あの女…見覚えがあるぞ。
更に。
「コクロ、お前もだ」
「畏まりました、皇王陛下」
今度は、長い黒髪の女を呼んだ。
驚いたことに、コクロと呼ばれたその女は、ハクロと全く同じ顔だった。
ただ、髪の色と衣服の色が違うだけ。
何だ、あいつら…双子か?
片方は見たことがある。ルーデュニア聖王国の港に、くそったれな最後通牒を伝える為に、大群率いてやって来た大将だ。
片割れがいたのか…。
揃いも揃って…ナツキ様の忠実な犬であるらしい。
そんな卑怯者に仕えて、一体何が楽しいんだ?
いや、それよりも。
「どういうことだ?二人も…」
ナツキ様はハクロとコクロ、二人の人間を決闘の代表に指名した。
この二人は、二人で一人だから、とか言い出さないよな?
さっきの、マシュリの反則負けのことがあるから。
それくらいの身勝手は、当たり前のように言い出しそうじゃないか?
しかし、そうではなかった。
「その代わり、お前達からも二人選ぶ。最終戦は、二対二の決闘だ」
ナツキ様は、一方的にそう決めつけた。
…これは、まさかの展開だな。