神殺しのクロノスタシスⅤ〜後編〜
「さぁさぁ皆、たくさん用意したから、好きなだけ食べてね〜」
この決闘お疲れ様会、とやらを企画したのは、勿論シルナである。
そして、シルナが用意した祝いの席と言えば、当然ながら。
「凄いね、これ全部チョコなの?」
「チョコ菓子って、こんなに種類あるんだ…。ケーキとマフィンとクッキーくらいしか知らなかったよ…」
「世界は広いんだなって思うよね」
お疲れ様会に招待された吐月達が、テーブルの上に整然と並べられた皿の数々を見て、思わず舌を巻いていた。
そう思うのも無理はない。
テーブルの上には、これでもかと言うほど食べ物が並んでいた。
一体どんなご馳走が…と思ったら。
全部、チョコ菓子。
ザッハトルテ、ガトーショコラ、フォンダンショコラ、チョコクッキーにチョコサブレ。
チョコサラミにチョコアイス、チョコパウンドケーキ等々。
極めつけは、とくとくと熱いチョコレートを噴き出す、巨大なチョコフォンデュ。
用意したのは、勿論シルナである。
ルーデュニア聖王国に帰ってきてすぐ、馴染みのお菓子屋さんに頼んで、用意してもらった。
それもこれも、この日のお疲れ様会の為である。
「あ〜美味しっ。こっちも美味しい!このチョコアイスなんて最高!」
シルナは招待客そっちのけで、テーブルいっぱいのチョコスイーツを貪っていた。
すげー勢いで食ってる。掃除機か?
「…」
これには、招待客であるルーデュニア聖王国代表団も無言。
ただ、ベリクリーデだけが。
「もぐもぐ。これ美味しいね、ジュリス」
「あ、うん…」
チョコドーナツを口いっぱいに頬張って、もぐもぐ食べていた。
ベリクリーデは大物だよ。
腕、もう治ったのかな?
「…このパンダ学院長…。白と黒じゃなくて、茶色一色になるんじゃないですか?」
イレースの嫌味も、シルナの耳には届いていないようで。
ただひたすら、変わらない吸引力でチョコスイーツを貪っていた。
しばらく放っておこうぜ。あれは止めても止まらんだろ。
まぁ、でも…気持ちは分かる。
多分シルナも幻の世界で、一週間の間針のむしろ状態で過ごしたんだろう。
俺と同じように。
当然その間、こうやって大好きなお菓子を口にすることもなかったはずだ。
それに、決闘のことやらアーリヤット皇国との揉め事やらで、しばらく落ち着かない日々が続いていたし…。
その反動なんだと思うよ。
ようやく平和が戻ってきたのだから、今日くらいは羽目を外しても良いだろう。
しかし。
「言うまでもないことですけど、この山のようなチョコ菓子の代金は、全部学院長の懐から出してもらいますからね」
イレースは、こんなときでも容赦なかった。
財布の紐が緩むってことがないもんな、イレースって。偉いよ。
この決闘お疲れ様会、とやらを企画したのは、勿論シルナである。
そして、シルナが用意した祝いの席と言えば、当然ながら。
「凄いね、これ全部チョコなの?」
「チョコ菓子って、こんなに種類あるんだ…。ケーキとマフィンとクッキーくらいしか知らなかったよ…」
「世界は広いんだなって思うよね」
お疲れ様会に招待された吐月達が、テーブルの上に整然と並べられた皿の数々を見て、思わず舌を巻いていた。
そう思うのも無理はない。
テーブルの上には、これでもかと言うほど食べ物が並んでいた。
一体どんなご馳走が…と思ったら。
全部、チョコ菓子。
ザッハトルテ、ガトーショコラ、フォンダンショコラ、チョコクッキーにチョコサブレ。
チョコサラミにチョコアイス、チョコパウンドケーキ等々。
極めつけは、とくとくと熱いチョコレートを噴き出す、巨大なチョコフォンデュ。
用意したのは、勿論シルナである。
ルーデュニア聖王国に帰ってきてすぐ、馴染みのお菓子屋さんに頼んで、用意してもらった。
それもこれも、この日のお疲れ様会の為である。
「あ〜美味しっ。こっちも美味しい!このチョコアイスなんて最高!」
シルナは招待客そっちのけで、テーブルいっぱいのチョコスイーツを貪っていた。
すげー勢いで食ってる。掃除機か?
「…」
これには、招待客であるルーデュニア聖王国代表団も無言。
ただ、ベリクリーデだけが。
「もぐもぐ。これ美味しいね、ジュリス」
「あ、うん…」
チョコドーナツを口いっぱいに頬張って、もぐもぐ食べていた。
ベリクリーデは大物だよ。
腕、もう治ったのかな?
「…このパンダ学院長…。白と黒じゃなくて、茶色一色になるんじゃないですか?」
イレースの嫌味も、シルナの耳には届いていないようで。
ただひたすら、変わらない吸引力でチョコスイーツを貪っていた。
しばらく放っておこうぜ。あれは止めても止まらんだろ。
まぁ、でも…気持ちは分かる。
多分シルナも幻の世界で、一週間の間針のむしろ状態で過ごしたんだろう。
俺と同じように。
当然その間、こうやって大好きなお菓子を口にすることもなかったはずだ。
それに、決闘のことやらアーリヤット皇国との揉め事やらで、しばらく落ち着かない日々が続いていたし…。
その反動なんだと思うよ。
ようやく平和が戻ってきたのだから、今日くらいは羽目を外しても良いだろう。
しかし。
「言うまでもないことですけど、この山のようなチョコ菓子の代金は、全部学院長の懐から出してもらいますからね」
イレースは、こんなときでも容赦なかった。
財布の紐が緩むってことがないもんな、イレースって。偉いよ。