神殺しのクロノスタシスⅤ〜後編〜
…ともかく。

ベリクリーデに、おかしな入れ知恵をした犯人が判明した。

成程、シルナ・エインリーか。

寄りにもよって、自分好みの「恵方巻き」をベリクリーデに教えるとは。

ロールケーキを恵方巻きに見立てるとは…。最近はそういうのもあるんだな。

正直、ケーキ屋が無理矢理節分にあやかってるようにしか見えないが。

お陰で、ベリクリーデに変な知識がついてしまった。

文句言ってやりたいところだったが、イレース・クローリアに拳骨を食らったなら、制裁はそれで良しとしよう。

…さて。

あとは、どうやってベリクリーデの間違った知識を改めるか、だな。

「作ろう、ジュリス。恵方巻き」

「あぁ、うん…」

…どうしたものかな。

「…あのな、ベリクリーデ。一般的には恵方巻きって、巻き寿司のことだから」

「…巻き寿司…?」

「…ともかく、もう一回…買い物行ってくるか」

こうして、今回も俺が、ベリクリーデの 思いつきに巻き込めれる羽目になるんだな。

調理場をめちゃくちゃにされるよりマシだと思おう。
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