神殺しのクロノスタシスⅤ〜後編〜
第5章
――――――…時を遡ること、3時間前。
私はそのとき、聖魔騎士団魔導部隊隊舎にある自分の執務室で、書類仕事に勤しんでいた。
「…ふぅ…」
溜まった書類仕事が一段落して、私は肩と首をぐるりと回して、凝り固まった筋肉をほぐした。
この後の大隊会議までに、何とか間に合いましたね。
お陰で今日は、残業はせずに済みそうだ。
聖魔騎士団副団長ともあろう者が残業を嫌がるなんて、と思われるかもしれないけど。
許して欲しい。子供達が、私の帰りを待っているから。
私は、デスクの上に飾った写真立てを見つめた。
そこには、この間のアイナの誕生パーティーの写真が飾ってあった。
アイナは誕生日プレゼントの真新しいワンピースを着て、小さな腕で弟のレグルスを抱いて、得意げな笑顔で写真に写っていた。
「…ふふ、可愛い」
それを見て、私は思わず顔を綻ばせてしまった。
アトラスさんに負けず劣らず、私も親馬鹿ですね。
この子達が家で待っていると思うと、残業なんてしていられません。
しかし。
その後私は、残業どころではない事態に巻き込まれることになるのだった。
…「それ」は、唐突にやって来た。
窓の外から、カリカリと爪を立てるような音がした。
「…え?」
窓の方を見ると、ガラスの向こうのバルコニーに、一匹の猫がいた。
私はそのとき、聖魔騎士団魔導部隊隊舎にある自分の執務室で、書類仕事に勤しんでいた。
「…ふぅ…」
溜まった書類仕事が一段落して、私は肩と首をぐるりと回して、凝り固まった筋肉をほぐした。
この後の大隊会議までに、何とか間に合いましたね。
お陰で今日は、残業はせずに済みそうだ。
聖魔騎士団副団長ともあろう者が残業を嫌がるなんて、と思われるかもしれないけど。
許して欲しい。子供達が、私の帰りを待っているから。
私は、デスクの上に飾った写真立てを見つめた。
そこには、この間のアイナの誕生パーティーの写真が飾ってあった。
アイナは誕生日プレゼントの真新しいワンピースを着て、小さな腕で弟のレグルスを抱いて、得意げな笑顔で写真に写っていた。
「…ふふ、可愛い」
それを見て、私は思わず顔を綻ばせてしまった。
アトラスさんに負けず劣らず、私も親馬鹿ですね。
この子達が家で待っていると思うと、残業なんてしていられません。
しかし。
その後私は、残業どころではない事態に巻き込まれることになるのだった。
…「それ」は、唐突にやって来た。
窓の外から、カリカリと爪を立てるような音がした。
「…え?」
窓の方を見ると、ガラスの向こうのバルコニーに、一匹の猫がいた。