蜜別居?(2年振りに逢った旦那は隣に住んでました!浮気相手と一緒じゃなくて良かったです!)
「ちょっと下ろしてよ」

ジタバタする私をシャワールームに連れ込み服を着たまま水を頭から浴びせた

「酔いをさませろ」
「冷たい!!何すん…」

(何…?)

頭から浴びる水は冷たいのに唇は熱い
瀬名の長い睫毛に水が滴り癖のある前髪も濡らしその向こうには切ない表情

「ちょっ…んっ」

口を開こうとすると唇を塞がれて息するのも苦しい。
胸を押せば止めてくれるはずなのに押し返す事も出来ずただ優しいキスを受け続ける。

「返信しなかったのは謝るからもうやめてよ…」

酔いとキスによる酸欠で意識が朦朧とする。

シャワーの水を適温にして瀬名はブラウスのボタンを外して行くけど止めなきゃと頭では分かっているのに力が入らない。

瀬名の柔らかい唇が首筋にキスを落としブラの紐をずらしながら鎖骨に沿ってキツめに吸い上げる。

「瀬名…ごめん」

「何に謝ってんの?」

返事は優しいのに触れる手は少し荒々しくブラのホックも簡単に外されて胸が露わになり恥ずかしくて手で隠すけど両手を壁に縫い付けられて執拗に感じる部分を攻め続ける

「無理…こんなの変だよ」

口では言うけど何がもう無理なのかも分からなくなるほど思考も全部奪われる。

「何も変じゃない」

びしょ濡れの私をタオルで包みこみ抱えられベッドに寝かされた。

「2年前にこうすれば良かった」

そう言うと優しく口付けて今度は私をベッドに縫い付ける。

また傷つくと頭では分かってるけど私を求める余裕のない瀬名の顔とそんな姿に愛おしく思ってしまい彼の背中に手を回した。

痛みと切なさで涙が滲む。
瀬名も苦しそうに私の目尻にキスをすると嬉しそうに微笑む

(…何で今更そんな顔するのよ)

意識を手放す寸前に何か聞いた気がしたけどそのまま私は気を失った。


まさかの初めてを絶賛別居中の旦那に奪われるとは思っても見なかった。

カーテンの隙間からの日差しで目が覚めた私の隣には綺麗な表情で眠る瀬名の姿。

「う…ん」

ヤバい起きる!

恥ずかしくて寝た振りをすると瀬名はゆっくり起き上がり私の頬に触れると携帯を手に取り部屋を出て行った。

……っ

たまに聞こえる話声に耳を傾けてると

「夏生」

夏生さんか…

「昨日は…うん…今から迎えに行く」

はっきり聞こえた声と寝室に戻ってくる感じに私は寝たふりを強くした。

また私の頬を一撫でして乾いた服を着て瀬名は何も言わず静かに出て行った。
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