蜜別居?(2年振りに逢った旦那は隣に住んでました!浮気相手と一緒じゃなくて良かったです!)
優秀な部下の真緒ちゃんのおかげもあり今日は遅番の定時退社が出来た。

重い足を引き摺りやっと自宅マンションまでたどり着きドサッとベッドに寝転がった。

「化粧落とさなきゃ…夕飯…眠いし疲れた」

自宅は何て快適なんだ
どんなにしようが何をしようが一人だと自由に何でも出来る

夏生さん可愛かったな
若くてプライベートでも手を抜かないメイクにファッション。

「お似合いだったな」

無意識に出た言葉に相当ダメージを受けてギュッと目を閉じた。



「奏、結婚するぞ」

それが久々に瀬名と会った最初の言葉だった。

ムードも何もないうちの実家の門の前で「久しぶり」と同レベルのトーンで…

でも表情は眉間にシワが寄ってた。

「へぇー。そうなんだ」

他人事のように答えたけど突然言われて驚かないわけがない。
実家に住んでた私は高校時代のジャージ上下にノーメイク姿でとにかく動揺を隠した。

「明日おじさん達に挨拶に行くから」

不機嫌そうにそれだけ言って豪華絢爛な安見家に入って行った。

そこからの私は冷や汗と脳汁がヤバいくらい噴出して部屋に戻るなり奇声を上げたのを覚えてる。

私達が産まれる前から仲良しな両家よって結婚は私達の意思関係なく決まっていた。
籍だけ入れた私達は1ヶ月後一緒に住んでいた。

最後はそう浮気現場を目撃して…
それでも我慢して…
理由なんて言ったっけ…
色々並べて考えて…結局瀬名を責めれなくて。

離婚届とずっと外さなかった結婚指輪をテーブルに置き瀬名に初めて最大級の演技をした。

「気になる人が出来た…だったっけ。今頃こんな夢見るって私…病んでるかも。ははっ」

一人自虐ネタを呟いた。

“気になる人”
そんなの居るはずも無いのに。

「瀬名が好きで大好きで…浮気を目撃してしまってショックで離婚します!」なんて絶対口にしたなかった。

「メンタル弱ってるのかな」

帰宅してそのまま寝てしまい寝汗で身体中ベタベタする。
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