蜜別居?(2年振りに逢った旦那は隣に住んでました!浮気相手と一緒じゃなくて良かったです!)
「お金は明日必ずお渡しします」
トイレだと思ってたのは私の勘違いで全額支払いが済まされてた。
ここで“カッコ良い!!”とか思うわけがない。
接待にもならないしだいたい瀬名に借りも作りたくもない。
「支払いの事はこっちが連れ出したんだから気にする必要ないだろ」
接待と嘘を付いた事は悪びれる様子もなく平然と話す。
じゃあ何で食事しなきゃいけないのよ!と疑問を感じた気持ちはスルーした。
「それはそうですけど。それでも嫌です」
車が私達の前に到着して紳士から瀬名は鍵を受け取り車に乗らない私に少しムッとした顔をする。
「分かったよ。じゃあ別居中の生活費の補助なら文句ない?」
(何が生活費の補助よ…)
グッと手に握りしめる。
「生活費は要らないって言いました。私も働いているんですから。借りを作りたくないだけです!」
家を出てから何度か打診のあった生活費の件はとっくにお断りしてる話。
金銭どころか洋服と化粧ポーチだけを持ち出して身一つと変わらない状態で飛び出した当初はさすがに少し後悔したけど一からやり直すにはちょうど良かった。
「本当に人の話聞かないよな…」
「もう良いでしょ?では失礼します。安見様」
一礼して「奏!」と呼ぶ声がしたけど振り返らず店を出た道路でタクシーを捕まえた。
遅番シフトが帰って行く中、カタカタと一人パソコンを打っては電卓を弾く。
食事をしてタクシーに乗り込み残した仕事の為に蘇芳に戻ってきた。
もう傷つきたくない。
惨めな気持ちにもなりたくない。
浮気をされた身だが“お互い自由で”と言い出したのは私で瀬名は自由にしただけ。
今も続く夏生の存在を知ったからには瀬名と近づくとまた私は傷つく可能性がある。
「チーフ帰らないんですか?」
笠木君が最後の一人らしく声を掛けてくれた。
「後少し入力して終わりだから。気をつけて帰ってね」
彼に笑顔で手を振ってまた入力を始めた。
シーンと沈まり帰ったフロアは少し寂しいのと切なくなる。
ドサッ…
「どうしたの?!」
「飲み物買って来ました。チーフ好きなのどうぞ」
お茶にコーヒー紅茶、オレンジジュースにフルーツミックス他にも入ってる。
「迷うな〜。じゃあオレンジジュースで」
有難く貰うと隣の席に座りパソコンの電源を立ち上げて私に「はい」と手を出した。
ジュース代?
お財布を取り出そうとすると笠木君は慌てたように「違います!!」と声が上ずった。
「入力なら俺も出来るんで任せて下さいって意味ですよ。チーフ面白いっすね」
体育会系の彼は日に焼けた肌に白い歯を見せて豪快に笑うから私も釣られて笑顔になった。
「じゃあ、この部分をお願い。途中までそのフォルダに入れてあるから」
「了解です!!」
元気いっぱいに答えて真剣な顔でパソコンに入力を始めてくれる。
(懐かしいな…私も新人の時はこうだった)
少し彼を見つめて私もパソコン入力を再開させた。
トイレだと思ってたのは私の勘違いで全額支払いが済まされてた。
ここで“カッコ良い!!”とか思うわけがない。
接待にもならないしだいたい瀬名に借りも作りたくもない。
「支払いの事はこっちが連れ出したんだから気にする必要ないだろ」
接待と嘘を付いた事は悪びれる様子もなく平然と話す。
じゃあ何で食事しなきゃいけないのよ!と疑問を感じた気持ちはスルーした。
「それはそうですけど。それでも嫌です」
車が私達の前に到着して紳士から瀬名は鍵を受け取り車に乗らない私に少しムッとした顔をする。
「分かったよ。じゃあ別居中の生活費の補助なら文句ない?」
(何が生活費の補助よ…)
グッと手に握りしめる。
「生活費は要らないって言いました。私も働いているんですから。借りを作りたくないだけです!」
家を出てから何度か打診のあった生活費の件はとっくにお断りしてる話。
金銭どころか洋服と化粧ポーチだけを持ち出して身一つと変わらない状態で飛び出した当初はさすがに少し後悔したけど一からやり直すにはちょうど良かった。
「本当に人の話聞かないよな…」
「もう良いでしょ?では失礼します。安見様」
一礼して「奏!」と呼ぶ声がしたけど振り返らず店を出た道路でタクシーを捕まえた。
遅番シフトが帰って行く中、カタカタと一人パソコンを打っては電卓を弾く。
食事をしてタクシーに乗り込み残した仕事の為に蘇芳に戻ってきた。
もう傷つきたくない。
惨めな気持ちにもなりたくない。
浮気をされた身だが“お互い自由で”と言い出したのは私で瀬名は自由にしただけ。
今も続く夏生の存在を知ったからには瀬名と近づくとまた私は傷つく可能性がある。
「チーフ帰らないんですか?」
笠木君が最後の一人らしく声を掛けてくれた。
「後少し入力して終わりだから。気をつけて帰ってね」
彼に笑顔で手を振ってまた入力を始めた。
シーンと沈まり帰ったフロアは少し寂しいのと切なくなる。
ドサッ…
「どうしたの?!」
「飲み物買って来ました。チーフ好きなのどうぞ」
お茶にコーヒー紅茶、オレンジジュースにフルーツミックス他にも入ってる。
「迷うな〜。じゃあオレンジジュースで」
有難く貰うと隣の席に座りパソコンの電源を立ち上げて私に「はい」と手を出した。
ジュース代?
お財布を取り出そうとすると笠木君は慌てたように「違います!!」と声が上ずった。
「入力なら俺も出来るんで任せて下さいって意味ですよ。チーフ面白いっすね」
体育会系の彼は日に焼けた肌に白い歯を見せて豪快に笑うから私も釣られて笑顔になった。
「じゃあ、この部分をお願い。途中までそのフォルダに入れてあるから」
「了解です!!」
元気いっぱいに答えて真剣な顔でパソコンに入力を始めてくれる。
(懐かしいな…私も新人の時はこうだった)
少し彼を見つめて私もパソコン入力を再開させた。