蜜別居?(2年振りに逢った旦那は隣に住んでました!浮気相手と一緒じゃなくて良かったです!)
「終わったぁぁぁ〜!!」

時間はもう22時。
笠木君の手伝いが無かったらこの時間にも終わってないはず。

「本当にありがとうございました」

グゥ〜

「すみません!!この時間は腹が空いて」

「ごめんね!!ご飯食べて無いんじゃないの?!」

彼曰くお昼を16時に食べたらしくそこまでお腹が最初は空いて無かったらしい。

「何処か空いてたら行こう!奢るわ」

そうと決まれば急いで片付けてフロアを後にした。


「何で今日に限って何処も閉まってるか満員なのよ」

3軒目のラーメン屋もいっぱいで入るまでに一時間弱は待つらしい。

「笠木君は明日何番?」

「明日休みです。待ちますか?」

少し考えて「付いて来て」と言うと今日2度目のタクシーを捕まえた。



「良いんですか?」

「どうぞどうぞ。片付いてないけど」

自宅マンションに笠木君を連れて来て部屋に招き入れた。

「お邪魔します」

「あ!真緒ちゃんもすぐ来るって。これでも食べて飲んでて」

缶ビールとキュウリとサラミとチーズをスライスしてお皿に盛り付けてテーブルに置いた。

「真緒も呼んでくれたんですか?!」

「そりゃそうよ!変な噂とか立てられて真緒ちゃん傷つけたくないもん」

真緒ちゃんも同じ総務の女の子。
一つ年上の彼女と笠木君は付き合っている。

「助かります!!真緒喜んでたでしょう。チーフを尊敬してるから」

缶ビールを一気に飲み干したのが分かり2本目を手渡した。



「蓮、よくチーフを手助けしたね!偉い!!」

真緒ちゃんは到着後ご機嫌でレモンサワーを飲みながらバンバンと笠木君の背中を叩いてる。

見た目は清楚なお嬢様風なのに性格とのギャップが凄い。
そんな真緒ちゃんの尻に敷かれながらも楽しそうに笑う彼等を見て幸せな気持ちになる。

「真緒ちゃんは軽いおつまみ出すね。笠木君は昨日の残りで悪いけど肉じゃがをコロッケにしてみたの。後はお味噌汁をっと」

手早くテーブルに並べて真緒ちゃん用のオクラを軽く下茹でしてごま油でニンニクを炒めてオクラと醤油、砂糖にお酒を入れて軽く炒め合わせた。

「これも食べて。まだ出すからね〜」

「チーフ料理美味ッ!!一人暮らしでこのレベル凄いです」

興奮気味にどんどん平らげて行く二人を見てほっこりとする。

「そっか…二人は最近入ったから知らないんだね。私、別居中で今はまだ既婚なのよ。だから家事は一応、一通り出来るの」

(作っても一緒に食べた記憶はないけど…)

昔を思い出してふふっと笑うと驚いた表情で二人は顔を見合わせた。
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