bouquet
桃華と快斗の出会いは、高校受験の時だった。桃華は試験会場となる教室に向かっている途中、受験票を落としてしまった。それを拾ってくれたのが快斗だった。
『これ、大事なやつだろ。落とすなよ。合格して、一緒に勉強できたらいいな』
そう笑みを浮かべながら言った快斗に、桃華は一目惚れをしてしまったのだ。運良く受験した高校に受かり、同じ教室で快斗を見かけた時、桃華は天にも昇る気持ちだった。
そこから桃華が必死でアプローチをし、高校一年生のバレンタインの時に想いが実り、付き合うことになったのだ。高校・大学を卒業し、それぞれ別の職に就いた今でも交際は続いている。
二人は十年も一緒にいるため、互いに何が好きで何が嫌いなのかもわかっている。だからこそ、桃華は不安を感じてしまうのだ。
(快斗は、こんなことをするような人じゃないのにどうしてバラの花束をくれるんだろ……)
快斗は恋愛小説に登場するキャラクターのように、息をするように甘い台詞を女性に言ったり、サプライズなども苦手とするタイプだ。桃華の誕生日プレゼントでさえ、「一人で店に入る勇気がない」と言い、高校生の頃からプレゼントは桃華も一緒にお店に行き、自分の好きなものを選んでいるくらいなのだ。
『これ、大事なやつだろ。落とすなよ。合格して、一緒に勉強できたらいいな』
そう笑みを浮かべながら言った快斗に、桃華は一目惚れをしてしまったのだ。運良く受験した高校に受かり、同じ教室で快斗を見かけた時、桃華は天にも昇る気持ちだった。
そこから桃華が必死でアプローチをし、高校一年生のバレンタインの時に想いが実り、付き合うことになったのだ。高校・大学を卒業し、それぞれ別の職に就いた今でも交際は続いている。
二人は十年も一緒にいるため、互いに何が好きで何が嫌いなのかもわかっている。だからこそ、桃華は不安を感じてしまうのだ。
(快斗は、こんなことをするような人じゃないのにどうしてバラの花束をくれるんだろ……)
快斗は恋愛小説に登場するキャラクターのように、息をするように甘い台詞を女性に言ったり、サプライズなども苦手とするタイプだ。桃華の誕生日プレゼントでさえ、「一人で店に入る勇気がない」と言い、高校生の頃からプレゼントは桃華も一緒にお店に行き、自分の好きなものを選んでいるくらいなのだ。