bouquet
快斗の部屋は必要以上のものは置かず、シンプルなデザインの家具で統一されている。そんないつも通りの部屋の中、桃華はテーブルの上に置かれたあるものに気付いた。
「快斗、これって……」
桃華は声を出してしまう。テーブルに置かれていたのは、桃華がデート終わりに貰っている九本のバラの花束だった。
「いつものやつ。やるよ」
快斗は緊張したように花束を渡す。桃華が「ありがとう」と言いながらいつも通りに受け取ると、快斗は「なぁ」と声をかけてくる。顔を上げた桃華が見たのは、顔を真っ赤にし、手を微かに震わせた快斗だった。
「十二回、桃華に九本のバラを渡してきただろ?十二×九はいくつかわかるか?」
「えっ?十二×九?えっと……百八でしょ?どういうこと?」
何故かけ算をしなくてはならないのか、桃華は混乱してしまう。そんな桃華に快斗は言った。
「バラの花言葉は本数によって違うんだ」
快斗がそう言い、桃華はスマホを取り出して調べていく。そして、快斗が伝えたい言葉を瞬間、胸の中にブワリと熱が込み上げてきた。
(だから、九本ずつ渡していたんだ……。いきなり百八本だと、家に置き場がないから)
「快斗、これって……」
桃華は声を出してしまう。テーブルに置かれていたのは、桃華がデート終わりに貰っている九本のバラの花束だった。
「いつものやつ。やるよ」
快斗は緊張したように花束を渡す。桃華が「ありがとう」と言いながらいつも通りに受け取ると、快斗は「なぁ」と声をかけてくる。顔を上げた桃華が見たのは、顔を真っ赤にし、手を微かに震わせた快斗だった。
「十二回、桃華に九本のバラを渡してきただろ?十二×九はいくつかわかるか?」
「えっ?十二×九?えっと……百八でしょ?どういうこと?」
何故かけ算をしなくてはならないのか、桃華は混乱してしまう。そんな桃華に快斗は言った。
「バラの花言葉は本数によって違うんだ」
快斗がそう言い、桃華はスマホを取り出して調べていく。そして、快斗が伝えたい言葉を瞬間、胸の中にブワリと熱が込み上げてきた。
(だから、九本ずつ渡していたんだ……。いきなり百八本だと、家に置き場がないから)