ハイスペ彼氏は彼女にゾッコン





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――――――……




「うっわぁ〜美味しそ〜」




テレビを眺める彰人のそんな声が頭上から聞こえてくる。

私もソファで彰人にくっつきながら一緒にテレビを見てるけど、

あんまり内容は入って来ない。



……悩んだけど、やっぱり気になるから聞いちゃおうかな。




「ねぇ彰人」


「ん? なあにハムちゃん」


「最近企画部に中途で入社してきた人って……」


「…あ、桃田さん?」




そう、桃田さん。




「今日私初めて桃田さん見かけたんだけど……めちゃくちゃ可愛かったね」


「あーそうだったんだ。うんうん、確かに可愛いよね。
モデルとかやったことあるんだって〜」




……知ってます。


そして、自分から振っといて彰人の「可愛い」発言にちょっとモヤッとしてしまう自分。




「……よく話すの?」


「まあ同じ部署だし、俺リーダーだからね〜」


「そっか…」




そうだよね……そりゃあそうだよね。


同じ部署だし、上司と部下だもんね。

話すのが普通だよね。



……いいなぁ。



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