ハイスペ彼氏は彼女にゾッコン

夜の街










「えぇー! 桃田ちゃん彼氏いないの!?」
「まじか……。え、最後に付き合ってたのいつ?」




居酒屋で盛り上がる企画部一行。

私はしっかり須崎さんの隣をキープしてるけど、飲み会だからあんまり2人では話せていない。


飲み会が始まってからほとんど私の話題ばっかりで、私が抜ける訳にはいかないし。


まあ今夜は絶対、ホテルか私の家に連れ込んでみせるけど。




「最後は……1年前ですね」


「えっ、そんな前なの!? 桃田ちゃんならすぐ男が寄って行きそうだけど」


「あはは、まぁそうでしたけど…。でも、私が好きになれる人が現れなかったんですよね」


「おお! で、ちなみに桃田ちゃんの好きなタイプってどんなの?」




キタ。


私はほんの一瞬、隣の須崎さんを見てから「えーと…」と、斜め上を見上げる。




「かっこよくて、清潔感があって、大人っぽくて、経済力があって、紳士的な人です」


「あはは! 理想高いねぇ〜!」


「私と釣り合う人だったら、やっぱりそのくらい求めちゃいますね」


「いいねぇ〜。桃田ちゃんのそういうハッキリしたところ良いと思う!」
「確かに桃田ちゃんレベルに釣り合う人ってそうそういないし」
「あれ、ていうか……桃田ちゃんの好きなタイプ、須崎モロに当てはまってね?」




社員さんの発言に、全員の視線が須崎さんに集まる。

須崎さんは枝豆を口に運びながら「ん?」と呑気に声を出している。



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