ハイスペ彼氏は彼女にゾッコン
「あ、すみません! 皆さん飲み物どうされます?」
私はメニューを手に持って皆に声を掛ける。
すると視線は須崎さんから私に映って、さっきの話題はなんとか止めることができた。
皆が何を飲むか選んでいる間、私は須崎さんに少し身を寄せてニコッと笑ってみせる。
「須崎さんはどうします?」
「んーやっぱり生かなぁ」
「お酒強いんですか?」
「どうだろ、分かんない。好きだけど強くはないかも」
…へぇ、そうなんだ。
じゃあもっと飲ませた方がいいわね。
私もアピールしないと。
「私も……結構すぐ酔っちゃうんですよね」
「へぇ。あ、確かに顔赤いね?」
「わっ、やっぱり赤いですか!? やだぁ恥ずかし…」
私は両頬を抑えて目線を下に落とす。
そして身体を少し須崎さんに向けて、さり気なく膝を当てる。
「あっ…ごめんなさい」
「え? あ、いいよ」
「須崎さん足長いから当たっちゃいますね」
「申し訳ない……俺の足が長いばっかりに…」
「えへへ、ノってくれるのさすがです♡」
私はそう笑って須崎さんの膝に手を乗せた。
よし、上手くいったわ。
これでもう少し酔わせて畳み掛けよう。