ハイスペ彼氏は彼女にゾッコン
私の言葉に目をパチクリさせたあと、須崎さんはふっと優しく笑った。
「何言ってんの、それもダメだよ。いくら部下でも女の子だし、俺の唯ちゃんがヤキモチ妬いちゃう」
「……大丈夫ですよ、言わなきゃバレません」
「そういう問題じゃないの」
だからダメ。と、釘を刺すように言う須崎さん。
……こうなったら。
「……はぁい。
ていうか須崎さん、割と筋肉あるんですね?」
さすさすと須崎さんの二の腕をワイシャツの上から撫で回す。
そして思った通り、須崎さんも「あ、ほんと?」と切り替えてくれた。
「ジム行ってるからね。いいでしょ〜」
「素敵ですっ。もしかして腹筋も割れてたり…?」
「割れてます」
ドヤ顔でふざけて言う須崎さんが可愛くて、吹き出しながら自然とキュンとしてしまう。
私が惚れさそうとしてるのに、この人ってばどんどん私を惚れさせてくるじゃない…。
「わぁ〜もう最高ですね♡」
「あはは〜まあ少しだけだよ」
「それがちょうどいいんですよ!」
あらそう? と満更でも無さそうに笑う須崎さん。
私はそんな須崎さんを見つめて、もう一度二の腕を優しく触ってみる。
「…見てみたいなぁ」
「……ん?」
「須崎さんの腹筋」
じーっと上目遣いで熱い視線を送る。
須崎さんはきょとんとした表情から、次第に困惑したような表情へ変わっていった。