ハイスペ彼氏は彼女にゾッコン
それから2人で料理を作り(ほとんど彰人が作ったけど)、完璧な晩ご飯を食べ始めた。
料理中も一生懸命な私に対して彰人は至極嬉しそうに見つめてきたりしてて。
もはや集中なんてできない。
美味し過ぎる料理を堪能しながら、ふと私は今日の出来事を思い出す。
「彰人さ、今日うちの部署に来てたじゃん」
「ん? あぁ、行ったね」
「その時にまた女性社員から『須崎さんって付き合うとどんな感じになるの?』って聞かれたよ」
「あはは、“こんな感じ”って言った?」
「言ってないよー。だって言ったら……」
彰人のギャップは人によってはイメージダウンになるのかもって思ったけど、
『彼女に対してたっぷり愛情を注げる最高の彼氏』ってことになるわけで。
より彰人がモテるようになる気がしてしまうのだ。
「彰人の人気がもっと上がっちゃうじゃん…」
「……ちょ、待って可愛過ぎだよハムちゃん!? ヤキモチ妬いちゃったんだ!?♡」
はぁぁっと声を上げながらカシャカシャとスマホで写真を撮りまくる彰人。
それに私は恥ずかしくなって「こら! 撮り過ぎ!」と撮影を止めようとする。
「いやぁ〜ハムちゃんフォルダが潤った」
「そんなフォルダ作らないでよ!」
「やだ〜。俺仕事中はこれ見て頑張ってるもん」
うふふ、と笑いながらスマホの画面を眺める彰人を見つつ、
仕事中にそのフォルダを見てにやけてる彰人を容易に想像できてしまった。
……恥ずかしいけど、嬉しいから困る。