再び異世界?!─平凡聖女の育てた少年が、年上魔公爵になって貫く健気過ぎる激重純愛♡─
ビンビンの瓶底眼鏡がズリ落ちたが、デュオは無表情だ。それがお願い顔?と若干首を傾げたくなるほど無だ。デュオの静かな声が部屋に響く。
「聖なる神力を扱う召喚士は、恋愛禁止です……女性は、純潔でなくては神力魔法が使えません。もちろん私たちはその一線を越えることをしませんが、その、節度を守っての行いは」
「さっきみたいに、いちゃこらはしてるってことね!」
禁断の関係を聖女に見つかってしまって、糾弾されても文句の言えない状況なのだ。
「……はい」
返事をしたデュオは能面だが、セーラが放った屈託ない一言がビンビンの羞恥を最高に掻き立てた。耳を真っ赤にしたビンビンは顔を覆ってしまった。
瓶底眼鏡の奥の瞳が潤んでいるのを見逃さなかったデュオは、ポケットからハンカチを取り出してビンビンに手渡す。
「ビンビン様、聖女様が望んだ懲罰は私が謹んで受けます。泣かないでください。君に泣かれると辛いです」
「いえ、私も、同罪ですので。デュオ様だけに背負わせたりは致しません」