再び異世界?!─平凡聖女の育てた少年が、年上魔公爵になって貫く健気過ぎる激重純愛♡─
マオの部屋は、床が見えないほど紙に埋まっていた。壁一面の本棚に本がびっしり詰まっていて、机にもソファにも、全ての場所が紙で埋まっていた。
ぱっくり口が開いたセーラをみて、マオはクスクス笑った。
「使用人たちも誰も入らないように言ってるから、散らかっててごめんね。でもベッドは綺麗だよ?」
「いやいや、それにしても、紙、紙、紙ですごい。何を書いてるの?何かの研究中、とか?」
きょろきょろと部屋が埋まるほどの紙を見回してセーラが問いかけると、マオが蕩けるほど嬉しそうな顔で微笑む。
「あの紙は全部セーラへの手紙」
紙の腐海部屋を通り抜けて、隣のベッドルームへ入る。ベッドルームは美しく整っていて小綺麗だった。
「私への手紙?私、マオから手紙なんてもらったことあった?」