再び異世界?!─平凡聖女の育てた少年が、年上魔公爵になって貫く健気過ぎる激重純愛♡─

セーラがきょとんと首を傾げると、マオは眉をハの字にしてしょげた猫みたいな顔で笑う。とろけるほど嬉しそうな中に、少しの寂しさを灯した顔だ。


マオはセーラをベッドに座らせて、隣に腰を下ろした。


「セーラがいなくなってから、100年分のラブレター。届いたことはないけど、書かずにいられなかったんだ」


マオがセーラの隣で眉を下げて微笑み続ける。セーラとマオの間には大きな時間の隔たりがある。


セーラだってマオと離れ離れになって悲しくて苦しみながら、元の世界の日常に戻らざるを得なかった。


それでも誤魔化し誤魔化し、1年がたった。死ぬまであと何年、マオを想い続けるのかと嘆いて泣き暮れた夜もあった。


でも、マオはその比ではない。


セーラが過ごした寂しかった1年の100倍を、マオは一人で生き抜いてきたのだ。


「もらってもいい?マオが書いてくれた手紙」
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