再び異世界?!─平凡聖女の育てた少年が、年上魔公爵になって貫く健気過ぎる激重純愛♡─
聖女の私室なら人が来ないのでいちゃつき放題だと、デュオが認識したのかもしれない。たしかに最上階の端っこの物置でいちゃつくよりは余程安全性が高い。
デュオがにこにこ嬉しそうに答えを待つ中、ビンビンがもごもごと恥ずかしそうに口を開いた。
「お、お互いをもっと、よく知ればいいのではないでしょうか」
「参考にさせていただきます」
「デュオ様ったら……」
ビンビンの手をとってあっさり指先にキスして笑うデュオを横目に、好き放題いちゃつきおってと思いつつセーラはビンビンの意見について考える。
「私からもさらに言わせてもらえば、よく知って、少しずつ触れあってみるのもおすすめです」
(デュオの私情入った触れあい提案はともかく、確かに大人になったマオのこと、全然知らないよね。私)
セーラは紅茶を飲み干して、テーブルをばんと叩いて立ち上がった。善は急げだ。
「ビンビンちゃん!私、マオのお仕事参観したい!」
「お仕事参観?」
「マオのこともっと知ってみる!」
聖女の私室でいちゃつき倒した代わりに、ビンビンとデュオは、お仕事参観の手はずを整える羽目になった。