再び異世界?!─平凡聖女の育てた少年が、年上魔公爵になって貫く健気過ぎる激重純愛♡─
だが、赤裸々な手紙には正直な気持ちが全て語られていて、セーラ愛してると綴られていない手紙は一枚もなかった。
顔が赤くなってしまうほどいやらしいことを綴った手紙でも、最後にはきちんと箱に入れて大事に収納してしまうのはそのせいだ。
(こんなに欲まみれなのに、あの時抱くの止めたの本当に紳士だな)
上半身下着一枚にまでなって据え膳で誘ったセーラに、マオはごめんねと謝って跪いてくれた。
部屋を埋め尽くすほどの愛の手紙と、あの日の紳士さ。そんなマオを想えば、何度でもセーラの胸は内側からのノックが響く。
(優しかったな、マオ)
愛し合いたいとマオが望んでくれるのは素直に嬉しい。セーラにそこまで求めてもらえるだけの価値はないのだと思いながらも、聖女としての義務や、責任ではなく、前向きにマオを愛したい思いが芽生え始めていた。
セーラはラブレターを一枚一枚全部読んで、きちんと箱に収納し続けた。
まずはマオの100年分の想いをきちんと受け止めることから始める。100年分のラブレターを読み込む中で、セーラには気にかかることがあった。
(日記みたいなものだからかな。私のこと以外では、雨の話が多い気がする)