再び異世界?!─平凡聖女の育てた少年が、年上魔公爵になって貫く健気過ぎる激重純愛♡─
マオの愛しっぷりがすごくて、思わず笑えた。100年分、貯め続けたラブレターの熱量は廃れるどころかどんどん上がっているように伝わってきた。
でも、5歳までの記憶を擦り続けて心の中で膨らみ続けた聖女の想像に屈服することなく、マオは今のセーラのダメなところをもっと見たいなんて言い出している。
平凡な自分でも愛される価値があるのではないかと、セーラの意識変革が起きるほどの熱愛の量だった。
「マオの愛し合いたいには、追いつけない気がするんだけど……私もやってみようかな」
セーラはすっかり片付いたマオの書き物机でペンと紙を取り出した。
今、胸に浮かぶ気持ちを紙に書いてみる。マオの傑作な恥ずかしいラブレターを山のように読んだあとなので、あれほど恥ずかしいことは書かない自信があった。
ペンを取ると、意外なほどにマオに伝えたいことがたくさん思い浮かんだ。だけど後から思えば、こんな大胆なことを書いちゃうだなんて。
この時はやっぱりちょっと、マオの愛語に酔っていた。