再び異世界?!─平凡聖女の育てた少年が、年上魔公爵になって貫く健気過ぎる激重純愛♡─
セーラがむーと唇を尖らせてむくれると、マオは胸に爆発を感じて真顔になった。そんな子どもみたいなむくれ顔は初めてみた。セーラが見せてくれる新しい表情に、マオは唇を噛みしめて震えた。
「書いた手紙を早く読んでくれないからってむくれるの子どもみたいで可愛すぎる」
マオが胸に抱いた手紙に語り掛けるつもりの心の声が外に全部駄々洩れて、セーラがもっとほっぺたを丸くしてむくれた。
「子どもみたい?!一生懸命書いたのに馬鹿にした?!」
「全くバカにしてない。もっとむくれてごねて暴れて僕のこと困らせるくらい駄々こねて欲しいって言ってる」
「こんなときに魔王ジョーク!もう読まないなら返して!」