再び異世界?!─平凡聖女の育てた少年が、年上魔公爵になって貫く健気過ぎる激重純愛♡─
えっちな初体験記です!と堂々と言えずに誤魔化すと、ビンビンが身を引いてくれた。
瓶底眼鏡を外した素顔のビンビンがセーラに一冊の絵本を差し出す。
「これを見つけました。聖女様もお読みになりたいのではないかと思って」
「あ!これ懐かしい!アイビン取っておいてくれたんだ」
セーラが受け取ったのは、マオが幼い頃に、よく読んでいたあの絵本だった。
セーラには4年ほど前のことだが、こちらでは古い本と成り果てていた。セーラは小さなマオが懐かしくてページをめくると、手紙がはらりと床に落ちた。
「あ、これって」
「召喚士アイビンの最期の手紙です。私が見せたいのは絵本ではなくこちらです」