再び異世界?!─平凡聖女の育てた少年が、年上魔公爵になって貫く健気過ぎる激重純愛♡─
ハンカチで涙を拭ききったセーラは噛みしめるように言った。
その時、耳の奥でキンと高い音がしたと思うと、耳の中でセーラを呼ぶマオの声が響いた。セーラの耳の周りでキラキラと金色の光が舞う。
「なにこれ?マオの魔法?」
「耳に直接声を届ける魔法のようですね。マオ様の魔法は実に多彩です」
「マオは天才だからね!マオが下まで来たみたいだから、私お迎えに行くね。
ねぇ、ビンビンちゃん、絵本と、この指南書借りてもいい?」
「かまいません」
セーラは礼を言って、古ぼけた絵本とえっちな初体験記を持って、マオを迎えるために散らかった資料室を去った。
資料に埋もれた資料室の端っこで、ビンビンはアイビンの手紙の意図を考える。
(マオ様を信じきりなさいって聞こえました。マオ様を疑った私への忠告?)