再び異世界?!─平凡聖女の育てた少年が、年上魔公爵になって貫く健気過ぎる激重純愛♡─
マオは眉をハの字にして、苦しそうに笑った。
召喚の間に降り注ぐ神々しい光を受けるマオの顔をもっとよく見ようとすると、セーラは首を持ち上げなくてはならなかった。
セーラが知るマオは、抱き締めると胸の高さに頭が来るくらい小さかったはずだ。
なのに、目の前の美青年は、
マオだという。
「セーラ、会いたかった。
本当に……長かった」
高位の貴族の正装を美しく着こなすマオはセーラの手首を引き寄せる。逞しい胸にセーラを招き、優しく抱き締めた。
セーラは男の胸に抱かれることに慣れていなくて、みっちりくっつく胸に向かって何とか口を開く。
「ちょ、いやでも、待ってマオ!」
マオがセーラの黒髪に顔を埋めてスーハースーハー息をしているが、セーラには何が何だかわからない。
眩しい光を吸い込む金色の瞳にマオの面影はある。だが、彼はどう見てもセーラの知っているマオではなかった。
「あれからたった1年だよ?!大きくなり過ぎでしょ!」
「ここではセーラがいなくなって、100年たったよ」
「ひゃ?!100?!」