再び異世界?!─平凡聖女の育てた少年が、年上魔公爵になって貫く健気過ぎる激重純愛♡─
マオが3歳を迎えたころには、マオの異常さが顕著に表れるようになった。
金色猫毛は光に透けて美しく、整った顔立ちが綺麗なマオの美貌は確立され始めていた。
だが、問題は中身なのだ。
自室でお茶を飲んでいたセーラの背中をぐいぐい押して、マオはセーラを中庭へと連れて行く。
「セーラ、最近雨が多くて困るって言ってたよね」
3歳の発言である。
「そうね、洗濯物が乾かないなぁって」
「そうだよね!ついて来て!良いもの見せてあげる!」
聖女屋敷と呼ばれる豪勢な屋敷に住んでいて、使用人は山のようにいる。
だが、セーラは自らマオの世話を焼きたくてマオのご飯を作ったり、洗濯などを自らさせてもらっていた。
雨がしとしと降る庭にマオが躍り出て、金色の瞳でニタリとセーラに笑いかける。
「いくよ?」
マオが金色の瞳をパチパチと瞬きして、空に手をかざす。数秒すると、マオの上だけ雨が止み、陽だまりが生まれた。
雨雲が割れて、マオの上にだけ光が神々しく降り注いだのだ。