再び異世界?!─平凡聖女の育てた少年が、年上魔公爵になって貫く健気過ぎる激重純愛♡─
マオが脳内でビンビンを無効化する方法を幾通りも練っていると、隣に座るセーラが満面のドヤ顔でマオに古びた絵本を突き出した。
「マオ!見てこれ!懐かしいでしょ?」
マオが金色猫毛をゆらりと揺らして、金色の瞳を細めた。
「『ノアの箱舟』だね」
「覚えてる?」
セーラがマオの隣に座って、膝の上でペラペラとページをめくる。
「小さい頃、セーラに何度も読んでもらった。忘れるはずがないよ」
マオはセーラにぴったりくっついて座り直して眉を下げてふにゃりと笑った。セーラは密着するマオにカッと熱が上がる。
(マオはじゃれてくっついてるだけなのに、意識し過ぎちゃうの恥ずかしいー喪女の過剰反応恥ずかしいー!!)
(照れてるの可愛い。もっとくっつきたいけど、恥ずかし過ぎて逃げられたら困るからこのへんにしとかないとね。あー可愛いムラムラするー豚殴りたーい)