再び異世界?!─平凡聖女の育てた少年が、年上魔公爵になって貫く健気過ぎる激重純愛♡─
マオはセーラの肩に頭を預けて、静かに目を瞑って頭の中で意見を述べる。セーラが絵本を読む優しい声と激しい雨の調和の中に、突然落雷が響いた。
「キャア!!」
セーラは手に持った絵本を放り出して叫んだので、マオは思わず預けていた頭を上げてきょとんとセーラを凝視した。
間髪入れずに落雷が近くで鳴り響き、またセーラが素っ頓狂な声で叫ぶ。
「キャ!!」
「セーラ、もしかして雷が」
「ち、違うのビックリしただけで、ちょっくらその出かけてくる!」