再び異世界?!─平凡聖女の育てた少年が、年上魔公爵になって貫く健気過ぎる激重純愛♡─
セーラはすっくのと立ち上がり、まっすぐ部屋に備え付けのクローゼットへ向けて歩き出した。
マオが傍観していると、セーラはクローゼットの扉を開き、中に入り込んでパタンと扉を閉めてしまった。
(まさかのクローゼット籠城)
「キャア!!」
稲光が光り、すぐ雷鳴が轟くたびにセーラが壊れたかのようにクローゼットの中で叫ぶのでマオはニヤついてしまう。
(雷が苦手だったなんて知らなかったな。弱々しいのが罪なくらい可愛いね。この屋敷の上だけ晴れさせてもいいけど……)
マオが遠慮なくクローゼットのドアをバンと開帳する。
(セーラの可愛いところ、もっと知りたい)