再び異世界?!─平凡聖女の育てた少年が、年上魔公爵になって貫く健気過ぎる激重純愛♡─
セーラはマオの両頬を手で挟んで、自信満々に黒い瞳で笑いかけた。
「最初はグレちゃったのかと思ってたけど、違う。
人を石にすることで、私を召喚したかった。でも、人を石にすることでしか得られない大きな利益があるんじゃない?
例えば、石になったおかげで食料危機から救われる、みたいな!
でなきゃ、マオが人に危害を加えるわけがない」
セーラの明るい声が耳に朗らかで、マオの瞳は滑らかに細くなる。セーラがマオを信じていると語れば語るほど、マオは満たされた。
「私って勘も働かなくて、マオみたいに賢くもなくて、アイビンやビンビンみたいに神力魔法も使えなくて、唯一できるって言われてる魔王を殺す楔も全然使う気になれない。
マオがどうして石化魔王やってるか、本当のところは全く見当がつかない平凡女。
でも、私ができることが一つあるの」