再び異世界?!─平凡聖女の育てた少年が、年上魔公爵になって貫く健気過ぎる激重純愛♡─
「マオ、今日は朝まで抱っこしてもらってもいい?」
黒い瞳を恥ずかしそうに伏せて、セーラがマオに甘えたことを言った。
(セーラが僕に甘えてくれるなんて……初めて)
きゅっと控えめに握られた袖の端が愛しくて、感極まるマオはセーラを抱き締める。
「離してって言われても、今日は朝まで離さない」
「ありがとう。マオっていつも優しい」
その夜マオはずっと、セーラを抱き締めたままソファに座って夜を明かした。
セーラを抱いて欲が冴えて眠れないかと思ったマオは、珍しくセーラを裸にする以外の夢を見た。もしかしたら、アイビンの実家で眠ったからかもしれない。