再び異世界?!─平凡聖女の育てた少年が、年上魔公爵になって貫く健気過ぎる激重純愛♡─
聖女様、嫉妬です
ビンビンの実家から聖女屋敷に帰り、ビンビンは野暮ったい瓶底眼鏡をしなくなった。
王城内の客室にて、セーラは鏡の前でビンビンに支度を整えてもらいながら首を傾げる。
侍女たちを押しのけて、なぜかビンビンがセーラの化粧をしていた。
「ビンビンちゃん、どうして眼鏡をやめたの?」
「目が曇らないように、シールドを張るのを止めたのです。私は、真実を見極めなくてはいけません」
ビンビンは白ローブの懐から小さな銀のコンパクトを取り出した。セーラが珍しいコンパクトに興味津々で黒い瞳を見開いた。
「それは何?」
「特別な口紅です。これでマオ様を魅了しましょう」
「え、いや魅了とか」
「キスくらいしてきてくださいね!お願いしますよ聖女様!!」