再び異世界?!─平凡聖女の育てた少年が、年上魔公爵になって貫く健気過ぎる激重純愛♡─

聖女様、嫉妬です



ビンビンの実家から聖女屋敷に帰り、ビンビンは野暮ったい瓶底眼鏡をしなくなった。


王城内の客室にて、セーラは鏡の前でビンビンに支度を整えてもらいながら首を傾げる。


侍女たちを押しのけて、なぜかビンビンがセーラの化粧をしていた。


「ビンビンちゃん、どうして眼鏡をやめたの?」

「目が曇らないように、シールドを張るのを止めたのです。私は、真実を見極めなくてはいけません」


ビンビンは白ローブの懐から小さな銀のコンパクトを取り出した。セーラが珍しいコンパクトに興味津々で黒い瞳を見開いた。


「それは何?」

「特別な口紅です。これでマオ様を魅了しましょう」

「え、いや魅了とか」

「キスくらいしてきてくださいね!お願いしますよ聖女様!!」

< 223 / 331 >

この作品をシェア

pagetop