再び異世界?!─平凡聖女の育てた少年が、年上魔公爵になって貫く健気過ぎる激重純愛♡─
「今日はパーティなのに?」
「私が特注したドレスのここに楔の収納ポケットがついてます。入れておきますからね」
「もう、ビンビンちゃんったら真面目」
セーラの白いドレスの腰についた大きなリボンの隙間に、セーラを傷つけない形で楔が収納された。ビンビンの用意は周到だ。
「これで、聖女様の準備は万端です。キスくらいしてきてくださいね」
「ビンビンちゃんったらそっち方面も真面目にぐいぐい行くのは、血筋かな?」
「聖女ジョークはわかりません」
セーラは鏡台の上に置いた召喚士アイビンのえっちな初体験記に視線をすっと移す。ビンビンにもアイビンの血が色濃く受け継がれているのかもしれない。意外とえっちな血筋か。
艶やかな唇でクスクス笑うセーラは化粧が映えて、いつもよりも煌いていた。
「準備ありがとう、ビンビンちゃん!行って来る」
「いってらっしゃいませ」
「ビンビンちゃんもデュオと楽しんでね」
恋する顔のセーラが眩しくて、ビンビンはその背を見送って羨ましく思ってしまう。
デュオは長期で聖女屋敷を空けていた。会うことができないままで、ビンビンはどんどん神経が尖っていた。