再び異世界?!─平凡聖女の育てた少年が、年上魔公爵になって貫く健気過ぎる激重純愛♡─
これ以上見てはいけない。マオは彼女らに精神魔法をかけて恋心を逸らし続けてきた。マオはあの子たちにまるっきり興味がない。全部知ってる。
なのに、なのに、制御できないほどの荒れた胸がここにある。
マオに色目使わないで!なんて子どもの独占欲がうねうねうねって暴れて口から吐き出しそうなのをセーラは必死に堪えた。アラサー女の大人の意地だ。
(マオに甘えてもいいとか言われたけど、さすがに嫉妬まき散らすほど子どもになりたくない!!)
セーラは失態をさらす前にパーティ会場を後にした。あとからパーティ会場に足を踏み入れた白ローブのビンビンの横を疾風のように白ドレスのセーラが走り過ぎる。
その後ろをすぐに正装のマオが追いかけていったので、ビンビンはじっとりと目を細めた。
(絶対にキス、してきてくださいよ聖女様!)