再び異世界?!─平凡聖女の育てた少年が、年上魔公爵になって貫く健気過ぎる激重純愛♡─
痴話げんかなどしている場合ではないと言うのにと肩を落とすと、ビンビンの前に手が差し出された。
「ビンビン様、ただいま戻りました」
「デュオ様、お帰りだったのですね」
「たった今です。石人間の家の周りの防護魔法を最終確認に……間に合わないかと思って焦りました。良ければ踊っていただけませんか?」
輝く美貌を振りかざすデュオを前に、ビンビンはその美味しそうな誘いにバカみたいに乗ってしまいたくなった。
ずっとバカでいられたら、こんなに苦い思いなどしなくてよかったのに。
「デュオ様、実は私、お話が」
「どうかしました?顔色が」
差し出された手に手を重ねることのないビンビンを不審に思って、デュオが屈んでビンビンの顔を覗きこもうとする。すると、賑わうパーティ会場の中からひときわ大きな黄色い声が響き渡った。