再び異世界?!─平凡聖女の育てた少年が、年上魔公爵になって貫く健気過ぎる激重純愛♡─
『愛する者を信じ切れることは、人生最大の喜びだった』
アイビンが遺した言葉を思い出して、ビンビンの目に涙が溜まる。召喚士としての義務、彼を愛するただの女の自分が争いあって、目頭が痛んだ。
ビンビンはその場から走って逃げ出した。召喚士の責務も恋心もすぐには捨てられなかった。
(私はもう、誰も信じられない……!)
パーティ会場から逃げ出したビンビンが走り抜ける廊下では、聞いたことのないほど轟音の雨音が鳴り響いていた。